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平成30年度
関西電力病院 病院指標

  1. 年齢階級別退院患者数
  2. 診断群分類別患者数等(診療科別患者数上位5位まで)
  3. 初発の5大癌のUICC病期分類別並びに再発患者数
  4. 成人市中肺炎の重症度別患者数等
  5. 脳梗塞の患者数等
  6. 診療科別主要手術別患者数等(診療科別患者数上位5位まで)
  7. その他(DIC、敗血症、その他の真菌症および手術・術後の合併症の発生率)
年齢階級別退院患者数ファイルをダウンロード
年齢区分 0~ 10~ 20~ 30~ 40~ 50~ 60~ 70~ 80~ 90~
患者数 24 95 274 379 843 1398 2050 2672 1502 184
当院では、糖尿病を中心とする生活習慣病と脳・心血管障害治療、がん、機能再生医療、救急医療を重点項目に掲げ、「地域の皆様に開放され た病院」として、質の高い医療を幅の広い年齢層の患者様に提供を行っております。
全体的に見ると、特に当院は小児科・産科を標榜していない影響もあるかと考えますが、全体の約70%を60才以上の患者様で占めております。
診断群分類別患者数等(診療科別患者数上位5位まで)ファイルをダウンロード
循環器内科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
050050XX99100X 狭心症、慢性虚血性心疾患 心臓カテーテル検査 280 3.1 3.0 0% 69.4
050050XX02000X 狭心症、慢性虚血性心疾患 経皮的冠動脈形成術等 255 3.5 5.0 0% 69.1
050050XX99200X 狭心症、慢性虚血性心疾患 心臓カテーテル検査+血管内超音波検査 127 2.8 3.2 0% 67.8
050070XX01X0XX 頻脈性不整脈 経皮的カテーテル心筋焼灼術  78 5.5 5.2 0% 66.4
050170XX03000X 閉塞性動脈疾患 動脈塞栓除去術 その他のもの(観血的なもの)等   40 3.5 5.5 5.00% 72.6
当診療科では心臓血管外科とともに心臓血管センターとして、「心臓血管疾患の患者救命のために、安全で質の高い医療を提供する」ことを掲げ、24時間、常時均質な医療を提供すること、そして院内・院外の救急患者をスムーズに受け入れることなどを具体的目標にしています。
緊急心臓カテーテル検査は24時間実施しており、その場で冠動脈カテーテル治療を行いCCUに収容。狭心症に対しても冠動脈ステントを用いて積極的に治療しています。
慢性期には長期的な予後改善をめざした内科的治療を推進。腎不全を伴った重症の心不全症例には持続血液濾過透析(CHDF)の短期併用を積極的に施行し、心原性ショックには大動脈バルーンパンピング(IABP)や経皮的人工心肺補助装置(PCPS)を併用し、劇症型心筋炎や重症肺塞栓などの治療も行っています。
消化器内科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
060100XX01XX0X 小腸大腸の良性疾患 内視鏡的大腸ポリープ・粘膜切除術  537  2.2 2.7 0% 65.6
060100XX99XXXX 小腸大腸の良性疾患 手術なし 226  1.5 3.0 0% 70.8
060020XX04X0XX 胃の悪性腫瘍 内視鏡的胃、十二指腸ポリープ・粘膜切除術   78  8.4 8.5 1.28% 73.1
060102XX99XXXX 穿孔または膿瘍を伴わない憩室性疾患 手術なし  39 10.0 7.8 0% 56.7
060050XX0300XX 肝・肝内胆管の悪性腫瘍 肝悪性腫瘍ラジオ波焼灼療法等  38 13.0 8.2 0% 74.0
当診療科では消化管・肝胆膵疾患に対し幅広く対応を行っています。特に消化管の悪性腫瘍に対する内視鏡治療、肝悪性疾患に対するラジオ波焼灼術、胆道疾患に対する内視鏡治療、進行癌に対する化学療法に力を入れております。
小腸大腸の良性腫瘍の大部分が大腸ポリープであり、内視鏡切除した場合は、ほとんど日帰りか1泊2日の入院となります。最近は小さなポリープは外来切除が増え、入院件数が減少しています。
胃の悪性腫瘍 内視鏡的胃、十二指腸ポリープ・粘膜切除術は早期胃癌に対するESDまたは十二指腸腫瘍に対するハイブリッドESDであり、年々増加しつつあります。
肝・肝内胆管の悪性腫瘍のほとんどが肝細胞癌と一部転移性肝癌です。MRIで早期に発見し、virtual sonographyを用いた経皮的なラジオ波焼灼療法にて局所根治に努め、できるだけ短期入院になるよう努めております。
糖尿病内科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
100070XX99X000 2型糖尿病(末梢循環不全なし) インスリン注射なし 90 10.7 11.1 0% 57.8
100071XX99X010 2型糖尿病(末梢循環不全あり) インスリン注射なし 副傷病あり  52 11.4 12.4 0% 68.3
100071XX99X100 2型糖尿病(末梢循環不全あり) インスリン注射あり 50 15.2 15.1 4.00% 64.7
100071XX99X000 2型糖尿病(末梢循環不全あり) インスリン注射なし 44 13.2 13.9 0% 61.0
100071XX99X110 2型糖尿病(末梢循環不全あり) インスリン注射あり 副傷病あり 24 16.0 14.3 0% 69.4
当診療科は糖尿病の検査・教育・治療入院、内分泌疾患の検査・治療入院を実施していますが、最も多いのは2型糖尿病の教育・治療ならびに合併症検査の入院です。食事・運動療法は糖尿病治療の基盤となりますので、いずれの患者さんにも管理栄養士や理学療法士などが加わったチーム医療で個別化した治療を行っていますが、さらに専門的な知識・技術が求められるインスリン治療やインクレチン治療なども多数実施しています。いずれの入院においても、入院期間は全国平均とほぼ同等か、やや短く、集中して教育・治療を行っている結果を反映していると考えています。
一方、糖尿病網膜症や糖尿病性腎症などの合併症症例や、動脈硬化症が進行した症例数も近年増加しており、比較的重症な症例も集まることがやや複雑な病態において入院期間を延ばす原因になっています。いずれの場合も入院中に多職種によるミーティングを行い、多方面からの患者教育や最適な治療法を探索し、決定しています。
また外科、眼科、整形外科、耳鼻科、泌尿器科、婦人科など他診療科で手術をする前に、入院にて血糖コントロールを行う場合もあり、迅速な血糖管理が求められる状況などにも対応しています。
糖尿病の治療以外では、下垂体、副腎、甲状腺などの内分泌疾患の検査や治療を脳神経外科、泌尿器科、耳鼻咽喉科、外科など他科と連携しながら行っています。
血液内科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
130030XX99X40X 非ホジキンリンパ腫 手術なし 化学療法あり 66 21.4 16.2 1.52% 74.8
130040XX99X6XX 多発性骨髄腫、手術なし 化学療法(エロツズマブ)あり 28 10.9 14.9 0% 66.9
130030XX97X40X 非ホジキンリンパ腫 手術あり 化学療法あり 25 31.5 32.4 4.00% 74.0
130060XX97X40X 骨髄異形成症候群 手術あり 化学療法あり 22 16.2 21.3 0% 74.4
130010XX97X2XX 急性白血病 手術あり 化学療法あり  20 37.0 40.1 5.00% 72.3
当診療科では、血液悪性疾患が占める割合が多く、化学療法(抗がん剤治療)を多く行っています。悪性リンパ腫では非ホジキンリンパ腫が全体のおよそ7~8割であり、濾胞性リンパ腫やびまん性大細胞型B細胞リンパ腫が多くなっています。また多発性骨髄腫では、新規薬剤が近年多く登場し、疾患の病勢コントロールが得られやすくなりました。
当診療科では、自家移植を含めた完解導入療法を行った後、抗体薬であるエロツズマブを使った維持療法で良好な成績を得ています。化学療法に伴う貧血や血小板減少症に対して輸血を行う頻度も高く、このため手術ありとなる症例が多くあります。
腎臓内科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
110280XX99000X 慢性腎炎症候群・慢性間質性腎炎・慢性腎不全 手術・処置等なし 48  9.1 12.1 2.08% 67.9
110280XX991X0X 慢性腎炎症候群・慢性間質性腎炎・慢性腎不全 人工腎臓あり  30  6.9  7.2 0% 61.5
110280XX99020X 慢性腎炎症候群・慢性間質性腎炎・慢性腎不全 腹膜灌流あり  27  6.2  8.8 0% 62.9
110260XX99X0XX ネフローゼ症候群 手術・処置等なし 13 17.0 21.4 0% 63.2
110280XX01X0XX 慢性腎炎症候群・慢性間質性腎炎・慢性腎不全 連続携行式腹膜灌流用カテーテル腹腔内留置術  - - 8.3 - -
当診療科では、慢性腎不全の教育入院や、腎炎・ネフローゼ症候群の腎生検・治療目的入院が主体となっております。
脳神経内科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
030250XX991XXX 睡眠時無呼吸 終夜睡眠ポリグラフィー 102  2.0  2.0 0% 56.6
010300XXXXXXXX 睡眠障害  43  2.0  4.2 0% 49.8
010160XX99X10X パーキンソン病 手術なし 中心静脈注射・SPECT等実施  41 15.8 19.7 2.44% 74.7
010060X2990401 脳梗塞(発症3日目以内・JCS10未満) 手術なし 化学療法(エタラボン)  25 20.8 16.2 12.00% 64.8
010155XXXXX00X 運動ニューロン疾患等 手術・処置等なし  25 11.7 13.7 4.00% 64.4
平成30年4月の医療改正で、「睡眠時無呼吸 終夜睡眠ポリグラフィー」がDPC件数に数えられるようになったため最多となりましたが、入院件数は昨年と 変わりません。脳梗塞、パーキンソン病などの件数にも大きな変動はありませんでした。
呼吸器内科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
040040XX9910XX 肺の悪性腫瘍 手術なし 肺生検実施 60 2.2 3.4 0% 70.2
040110XXXXX0XX 間質性肺炎 手術・処置等なし 44 17.2 19.1 4.55% 71.1
0400801499X001 肺炎等(市中肺炎・75歳以上) 手術・処置等なし A-DROPスコア1  33 17.7 13.5 3.03% 80.5
040081XX99X00X 誤嚥性肺炎 手術・処置等なし  18 14.1 20.9 22.22% 82.8
040120XX99000X 慢性閉塞性肺疾患 手術・処置等なし 15 14.1 13.6 0% 75.4
当診療科では肺炎治療をはじめとする呼吸器感染症を最も多く取り扱っています。
誤嚥性肺炎は地域連携パスを用いて後方支援病院との連携を図っています。
肺癌は、クリニカルパスを用いた入院での気管支鏡検査などで診断し、進行肺癌に対する化学療法導入時は腫瘍内科と連携して入院対応を行っています。
間質性肺炎は、気管支鏡検査(気管支肺胞洗浄・経気管支肺生検)や外科的肺生検で診断し、抗線維化薬導入時や急性増悪時に入院対応を行っ ています。
腫瘍内科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
060050XX99X40X 肝・肝内胆管の悪性腫瘍 手術なし 化学療法あり 14 14.7 11.3 0% 62.3
040040XX99040X 肺の悪性腫瘍 手術なし 化学療法あり 12 8.4 10.0 0% 71.0
040010XX99X30X 縦隔悪性腫瘍、縦隔・胸膜の悪性腫瘍 手術なし 化学療法あり 11 9.0 9.5 0% 75.3
040040XX9908XX 肺の悪性腫瘍 手術なし 化学療法(ラルシルマブ ベバシズマブ)あり 11 10.2 10.6 0% 64.5
060030XX99X3XX 小腸の悪性腫瘍、腹膜の悪性腫瘍 手術なし 化学療法あり 10 9.1 7.4 0% 53.1
外来での化学療法の施行が多くなっていますが、進行がんで肝転移や肺転移あるいは腹膜播種や腹部リンパ節転移、縦隔リンパ節転移をしている 患者さまについて入院で対応を行っております。
外科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
060160X001XXXX 鼠径ヘルニア ヘルニア手術 鼠径ヘルニア等 67 6.0  5.0 1.49% 69.1
060330XX02XXXX 胆嚢疾患(胆嚢結石など) 腹腔鏡下胆嚢摘出術等 39 7.8  6.5 0% 61.1
06007XXX9907XX 膵臓、脾臓の腫瘍 手術なし 化学療法(ストレプトゾシン)あり 33 9.4  8.0 0% 58.5
060150XX03XXXX 虫垂炎 虫垂切除術 虫垂周囲膿瘍を伴わないもの等 30 6.6  5.5 0% 41.9
090010XX01X0XX 乳房の悪性腫瘍 乳腺悪性腫瘍手術 乳房部分切除術(腋窩部郭清を伴うもの)等 24 8.9 10.6 0% 63.5
外科では消化器外科領域と乳腺疾患を扱っています。消化器外科領域では消化器内科とともに消化器センターとして診療・治療にあたっており、休日・夜間を通じて専門的治療の提供に努めています。 扱っている疾患は、食道がん、胃がん、大腸がん、乳癌、膵臓がん、肝臓がん、神経内分泌腫瘍など悪性腫瘍や胆嚢結石症、急性虫垂炎、鼠径ヘルニア(脱腸)、痔核・痔瘻などです。
鼠径ヘルニアの症例は以前より多かったのですが、医療法改正によりDPC算定に戻り、その結果外科で最も多い疾患となっています。
急疾患については治積極的に緊急・救急患者の受け入れを行っており、緊急処置を必要とすることの多い胆嚢炎と胆嚢結石、急性虫垂炎が患者数の上位2位と 4位になっています。
消化器悪性腫瘍の治療に関しては、消化器内科、腫瘍内科、放射線科、緩和診療科とともに定期的なカンファレンスを行い一貫した治療を提供しています。特に当科では希少疾患である神経内分泌腫瘍の専門外来を開設して診療にあったており、全国でも有数の患者数の診療を行っています。手術以外ににも神経内分泌腫瘍の化学療法を積極的に行っており3位に入ってきました。
一方、乳腺疾患の治療に関しても専門医を増やして力を入れています。患者数が増加傾向になっており、乳腺疾患の治療が5番目に入ってきました。
呼吸器外科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
040040XX97X0XX 肺の悪性腫瘍 手術あり 43 13.5 11.9 0% 64.7
040200XX01X00X 気胸 肺切除術等 13 11.7 10.1 0% 37.3
040200XX99X00X 気胸 手術なし 12  6.8  9.0 0% 41.9
040040XX9910XX 肺の悪性腫瘍 手術なし 肺生検実施 12  2.0  3.4 0% 65.8
040040XX99040X 肺の悪性腫瘍 手術なし 化学療法あり - - 10.0 - -
当診療科において、一番多く治療にあたっている疾病は肺癌です。
それ以外に転移性肺腫瘍、縦隔疾患、自然気胸、膿胸など幅広く胸部疾患全般の治療を行っています。
整形外科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
160610XX01XXXX 四肢筋腱損傷 靱帯断裂形成手術等 42 21.8 18.9 0% 59.4
070343XX01X0XX 脊柱管狭窄 腰部骨盤、不安定椎 脊椎固定術、椎弓切除術、前方椎体固定等 39 25.2 21.4  2.56% 69.0
160800XX01XXXX 股関節大腿近位骨折 人工骨頭挿入術 肩、股等 36 54.1 26.3 27.78% 81.5
160610XX97XXXX 四肢筋腱損傷 その他の手術あり  32  5.7  9.5 0% 40.5
070230XX01XXXX 膝関節症 人工関節再置換術等 30 29.7 24.3 0% 75.3
当診療科における2018年度の診断群分類別患者数上位は、上記のようになりました。
1.前十字靱帯損傷に対して鏡視下靭帯再建、肩腱板断裂に鏡視下縫合を行っています。
2.腰部脊柱管狭窄症に対して鏡視下手術および最小侵襲手術を行っています。
3.大腿骨頚部骨折に対して早期手術および回復期リハビリを行っています。 
4.TFCC損傷など靭帯損傷に鏡視下手術を行っています。 
5.膝の変形性関節症に対して最新の人工関節置換を行っています。 
形成外科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
020230XX97X0XX 眼瞼下垂 手術あり 39 4.3 3.2 0% 62.0
070570XX010XXX 瘢痕拘縮 瘢痕拘縮形成手術 - - 5.7 - -
090010XX97X0XX 乳房の悪性腫瘍 その他の手術あり  - - 6.5 - -
080007XX010XXX 皮膚の良性新生物 皮膚、皮下腫瘍摘出術等 - - 4.1 - -
050180XX02XXXX 静脈・リンパ管疾患 下肢静脈瘤手術等  - - 2.9 - -
当診療科は主として、体表面とそれに近い組織、器官の先天異常、外傷、腫瘍などによる障害に対し、これを形態的のみならず、機能的にも可及的正常に 再建することを目的としています。特に近年は、 マイクロサージャリーの技術が発達し、従来の外科の概念を変えるような手術が可能となってきています。
当診療科の治療の特色としては、 顕微鏡下に血管や神経をつなぐマイクロサージャリーを用いた切断指肢の再接着や、欠損指の再建手術、またマイクロサー ジャリーの繊細さを生かした、整容的、機能的に満足できる眼瞼下垂の手術などを多く手がけています。
脳神経外科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
160100XX97X00X 頭蓋・頭蓋内損傷 その他の手術あり 18 14.4  9.7 11.11% 79.2
010040X099000X 非外傷性頭蓋内血腫(非外傷性硬膜下血腫以外)(JCS10未満) 手術・処置等なし 17 27.9 18.7 17.65% 63.4
010010XX99000X 脳腫瘍 手術・処置等なし 17 13.4 11.5 35.29% 66.4
160100XX99X00X 頭蓋・頭蓋内損傷 手術・処置等なし  14  8.8  7.4 14.29% 53.6
010060X2990401 脳梗塞(発症3日目以内・JCS10未満) 手術なし 化学療法(エタラボン) 13 23.2 16.2 15.38% 67.1
当診療科では主に脳血管の障害、脳の外傷、脳腫瘍、水頭症の患者様を対象に診療しています。
一般的に脳梗塞(血行障害による脳損傷)や脳の外傷(怪我による脳損傷)の罹患率が高く、当院においてもこれらの患者様が多くなっています。
緊急入院を必要とする患者様が多く 、いつでも速やかに対応できる体制を整えています。
脳保護や血行改善のための薬剤治療を行うほか、必要に応じて手術による治療を行っています。脳損傷に伴う機能障害を有する患者様が多く、早期から リハビリテーションを併用しています。長期間のリハビリテーションが必要な場合は、回復期施設へ転院した上でリハビリテーションを継続していただきます。
心臓血管外科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
050050XX0111XX 狭心症、慢性虚血性心疾患 心室瘤切除術単独のもの等 心カテ検査、人工呼吸あり 17 28.6 26.7  6.00% 71.0
050080XX01010X 弁膜症 ロス手術(自己肺動脈弁組織による大動脈基部置換術)等 人工呼吸あり 10 27.8 24.0 20.00% 72.5
050163XX02X1XX 非破裂性大動脈瘤、腸骨動脈瘤 大動脈瘤切除術 腹部大動脈等 人工呼吸あり - - 20.6 - -
050080XX0111XX 弁膜症 ロス手術(自己肺動脈弁組織による大動脈基部置換術)等 心カテ検査、人工呼吸あり - - 37.3 - -
050050XX0112XX 狭心症、慢性虚血性心疾患 心室瘤切除術単独のもの等 心カテ検査、持続緩徐式血液濾過あり  - - 37.7 - -
狭心症心筋梗塞にに対して冠動脈バイパス術を施行しています。特に糖尿病患者にはCABGの有用性は報告されており、両側内胸動脈を使用した多枝バイパスを積極的に行っております。また症例に応じて小開胸による心拍動下MICS-CABGも行っています。
心臓弁膜症に関しては高齢者の大動脈弁狭窄症に対する弁置換術をはじめ、大動脈弁閉鎖不全症、僧帽弁閉鎖不全症には積極的に自己弁を温存した弁形成術を施行しています。
また小切開による低侵襲手術(MICS手術)も施行しています。腹部大動脈瘤に対しては外科手術だけてなく症例に応じてステントグラフトによる治療も行っています。
泌尿器科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
110080XX991X0X 前立腺の悪性腫瘍 前立腺針生針法  99 2.5 2.5 0% 67.3
11012XXX020X0X 上部尿路疾患 経尿道的尿路結石除去術等 37 6.6 5.6 0% 57.8
110070XX0200XX 膀胱腫瘍 膀胱悪性腫瘍手術 経尿道的手術 30 5.8 7.2 0% 70.1
110070XX02020X 膀胱腫瘍 膀胱悪性腫瘍手術 経尿道的手術 化学療法あり 30 5.3 7.4 0% 74.2
110420XX02XX0X 水腎症等 経尿道的尿管ステント留置術等 27 3.8 4.3 0% 75.3
膀胱悪性腫瘍の経尿道的手術の再発例には原則術後抗がん剤膀胱注入療法を行っています。
上部尿路結石に対して、軟性尿管鏡を用いた内視鏡手術に積極的に取り組んでいます。
前立腺癌の根治治療として密封小線源挿入術を選択肢の一つとして提示しています。男性機能温存に有利とされています。
前立腺癌放射線治療前に直腸前立腺間にスペーサーを留置する処置を開始しました。
婦人科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
12002XXX02X0XX 子宮頸・体部の悪性腫瘍 子宮頸部(腟部)切除術等 30  2.0  3.2 0% 37.7
12002XXX01X0XX 子宮頸・体部の悪性腫瘍 子宮悪性腫瘍手術等 24 16.3 12.6 0% 50.7
120060XX01XXXX 子宮の良性腫瘍 子宮全摘術等  24 10.4 9.9 0% 46.4
120070XX02XXXX 卵巣の良性腫瘍 卵巣部分切除術 腹腔鏡によるもの等  24  7.5 6.3 0% 56.7
120060XX02XXXX 子宮の良性腫瘍 腹腔鏡下腟式子宮全摘術等 19  6.8 6.2 0% 43.3
昨年と比較して症例数は増加しましたが、在院日数は昨年度とさほど変化ありません。
全国平均と比較して全体に在院日数が長いが、合併症は少ないのでパスの設定日数について今後見直しも検討します。
眼科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
020110XX97XXX0 白内障、水晶体の疾患 手術あり 片眼 334  1.9  2.8 0% 73.4
020110XX97XXX1 白内障、水晶体の疾患 手術あり 両眼  33 5.0 5.4 0% 77.3
020220XX97XXX0 緑内障 手術あり 片眼  25 10.2  8.0 0% 68.8
020200XX9710XX 黄斑、後極変性 手術あり 水晶体再建術あり - -  7.1 - -
020200XX9700XX 黄斑、後極変性 手術あり 水晶体再建術なし - - 6.6 - -
当診療科は、眼科領域のあらゆる疾患に対して、最新の検査機器を用いた正確な診断に基づく適切な治療(薬物、レーザー、手術)を行っています。
主な診療内容(外来および入院)は、網膜硝子体疾患(網膜剥離、糖尿病網膜症、網膜静脈閉塞症、加齢黄斑変性、黄斑円孔、黄斑上膜)の 診断と治療、緑内障の診断と治療、白内障の手術治療です。
耳鼻咽喉科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
030440XX01XXXX 慢性化膿性中耳炎・中耳真珠腫 鼓室形成手術 169 10.7 8.3 0% 51.3
030350XXXXXXXX 慢性副鼻腔炎  66  7.5 7.0 0% 47.7
030150XX97XXXX 耳・鼻・口腔・咽頭・大唾液腺の腫瘍 手術あり   22  8.9 7.4 0% 54.8
030428XXXXXXXX 突発性難聴  20 10.6 9.0 0% 57.0
030400XX99XXXX 前庭機能障害 手術なし  17  3.7 5.1 0% 59.1
手術が必要な中耳炎に対して積極的に鼓室形成術を行っていますが、重症度に応じて一期的手術、あるいは段階手術を適宜選択し行っています。一般的な 顕微鏡手術に加え、低侵襲な内視鏡手術も行っています。
内服治療効果が不十分な慢性副鼻腔炎例は、内視鏡およびナビゲーションを併用した副鼻腔手術を行っており、必要に応じて鼻中隔矯正術や翼突管神経 切除術なども同時に行っています。
耳硬化症に対するアブミ骨手術は、繊細で高度な技術が必要です。当院は近畿圏でも有数の手術件数を誇ります。
頭頚部の腫瘍に対しては、形成外科と共同で再建を行う大掛かりなものから、抗がん剤と放射線治療だけで治癒を目指す症例など幅広く対応しています。
また、抗がん剤の動脈内注入療法にも、積極的に取り組んでいます。
重症の突発性難聴に対しては入院でステロイド点滴を行っており、また糖尿病などの併存症がある場合に該当科と連携して積極的に治療を行っています。
初発の5大癌のUICC病期分類別並びに再発患者数ファイルをダウンロード
初発 再発 病期分類
基準(※)
版数
Stage I Stage II Stage III Stage IV 不明
胃癌 104 - - 40 - 13 1 8
大腸癌 34 - 24 47 10 41 1 8
乳癌 22 15 - 13 - 16 1 8
肺癌 45 - 16 49 - 31 1 8
肝癌 15 - - - - 50 2 8
※ 1:UICC TNM分類,2:癌取扱い規約
胃癌・大腸癌・乳癌・肺癌はいずれも比較的早期の患者様もおられますが、進行癌の患者様も目立ちます。
「不明」とあるのは入院時には病期が不明であった患者様で、その後の検査等で病期が判明致します。
なおDPCのコーディングでは転移性の進行癌患者様が転移部位でコーディングされることが多く、Ⅳ期癌の正確な数字を表記するためにデータの見直しを行っております。
進行癌の患者様の場合は、抗がん薬治療を外来通院で行うことが多くなっており、特に消化器癌ではその傾向が強く、延べ人数が昨年よりも減少しているものと思われます。
当院は400床の病院ですが、胃癌・大腸癌・肺癌はそれぞれ年間100名以上の患者さまが受診されております。
成人市中肺炎の重症度別患者数等ファイルをダウンロード
患者数 平均
在院日数
平均年齢
軽症  41 12.1 56.2
中等症 110 18.7 77.6
重症 - - -
超重症 - - -
不明 - - -
患者数が最も多いのは中等症です。重症度が上がるにつれ平均年齢が上がっており、中等症が軽症より平均在院日数が長いことがわかります。
数値上は重症肺炎患者がないように見えますが、10症例未満については「-」で表記しており少なからず存在しております。
脳梗塞の患者数等ファイルをダウンロード
発症日から 患者数 平均在院日数 平均年齢 転院率
3日以内 102 43.9 69.4 14.71%
その他 21 53.7 68.1 9.52%
脳梗塞は脳血管が閉塞し脳の一部が損傷する疾患です。当院では脳神経内科と脳神経外科が協力して脳梗塞の治療に当たっています。80%の患者様が発症3日以内の急性期に入院されており、発症早期から治療を受けておられます。治療は主に抗血栓薬や脳保護薬による薬剤治療を行いますが、必要に応じて血栓溶解治療や血栓回収治療、血行再建手術といった高度な専門性を必要とする治療を行います。ほとんどの患者様で運動障害や言語障害といった脳損傷に伴う機能障害が見られます。入院早期からリハビリテーションを行いますが、長期間のリハビリテーションを必要とする場合には、当院回復期リハビリテーション科と連携して継続的にリハビリテーションを受けていただきます。
診療科別主要手術別患者数等(診療科別患者数上位5位まで)ファイルをダウンロード
循環器内科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K5493 経皮的冠動脈ステント留置術(その他) 226 1.7 2.0 0% 69.5
K5951 経皮的カテーテル心筋焼灼術(心房中隔穿刺、心外膜アプローチ)  55 1.0 4.4 0% 66.5
K616 四肢の血管拡張術・血栓除去術  50 1.3 2.5 8.00% 72.1
K5952 経皮的カテーテル心筋焼灼術(その他)  22 0.8 2.0 0% 66.4
K5972 ペースメーカー移植術(経静脈電極)  17 3.9 9.1 0% 76.1
緊急心臓カテーテル検査を24時間対応しており、その場で冠動脈カテーテル治療を行いCCUに収容。狭心症に対しても冠動脈ステントを用いて積極的に治療しています。
また、不整脈診療ではカテーテルアブレーションによる最先端の心房細動治療やMRI対応のペースメーカ、心不全に対する両室ペーシングなどのデバイス治療、そして患者様の負担を軽減する遠隔モニタリングを行っています。
消化器内科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K7211 内視鏡的大腸ポリープ・粘膜切除術(長径2cm未満) 526 0.3  1.0 0% 66.1
K6532 内視鏡的胃、十二指腸ポリープ・粘膜切除術(早期悪性腫瘍粘膜下層)  80 0.6  6.8 1.25% 73.2
K654 内視鏡的消化管止血術  37 1.4 13.8 5.41% 68.9
K688 内視鏡的胆道ステント留置術  37 2.2 16.7 5.41% 73.3
K7212 内視鏡的大腸ポリープ・粘膜切除術(長径2cm以上)  35 0.3  3.1 0% 65.2
内視鏡的結腸ポリープ・粘膜切除術は大腸内視鏡施行時に、大腸ポリープや早期の大腸癌の基部に液体を局注し、スネアをかけて切除する方法で、ほとんどの方が日帰りか1泊2日の入院で施行しています。
また胃や十二指腸の早期癌や前癌病変は、フックナイフを用いた内視鏡的粘膜下層剥離術(ESD)やハイブリッドESDで安全・確実に切除しています。入院期間は、1週間程度となります。
腎臓内科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K616-4 経皮的シャント拡張術・血栓除去術 30 0.2  3.2 6.67% 73.1
K610-3 内シャント設置術 17 5.5 19.2 5.58% 69.5
K635-3 連続携行式腹膜灌流用カテーテル腹腔内留置術 15 4.3 20.4 6.67% 59.0
K608-3 内シャント血栓除去術 - - - - -
当診療科では透析患者様の合併症入院に関しても力を入れています。特に、内シャントトラブルには迅速に対応しており、シャント狭窄閉塞に対し、バスキュラーアクセスインターベンション治療を積極的に行っています。
透析導入患者の内シャント作成、透析患者のシャントトラブルに対する再建術も行っています。
また当診療科ではファーストPDDを推奨しており、腹膜透析カテーテル留置術も行っています。
外科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K672-2 腹腔鏡下胆嚢摘出術 66 1.4  6.0  0% 62.4
K6335 鼠径ヘルニア手術 62 1.3  3.6 1.61% 69.1
K6113 抗悪性腫瘍剤静脈内持続注入用植込型カテーテル設置(頭頸部その他) 31 0.1  1.4  0% 64.9
K718-21 腹腔鏡下虫垂切除術(虫垂周囲膿瘍を伴わないもの) 28 0.5  5.6  0% 41.3
K718-22 腹腔鏡下虫垂切除術(虫垂周囲膿瘍を伴うもの) 20 0.3 10.5  0% 52.0
手術別患者数では上位1番目、4番目、5番目が腹腔鏡下胆嚢摘出術と腹腔鏡下虫垂切除術です。診断群分類別患者数では急性胆嚢炎と急性虫垂炎、胆嚢結石症が上位2,4位を占めていますが、緊急患者を積極的に受け入れていることと、麻酔科の協力の下に積極的に腹腔鏡下手術を取り入れていることで、これら急性疾患の腹腔鏡下手術数が多くなっています。2位の手術は鼠径ヘルニアであり、上位の1,2位は昨年までと同様になっています。
一方、部位別にみれば、大腸(虫垂は除く)の手術は胆嚢、鼠径ヘルニア手術の次に多く行っています。大腸の手術は多くの術式に分類されるため表には出てきませんが、大腸の手術数は2番目に多くなります。化学療法を積極的に行っており、化学療法目的の静脈内持続注入用埋込型カテーテルの留置件数が多くなっています。
手術数全体の約75%を全身麻酔で行っていますが、全身麻酔手術のうちの約51%を腹腔鏡下に行っております。良性疾患だけでなく、大腸がん、胃がん、食道がん、肝臓がん、神経内分泌腫瘍などの悪性疾患に対しても適応を十分検討したうえで積極的に腹腔鏡下手術を行っています。 
整形外科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K0821 人工関節置換術(股・膝) 64 1.6 30.5 3.13% 70.4
K0462 骨折観血的手術(前腕・下腿) 43 2.4 22.5 6.98% 54.5
K0802 関節形成手術(手) 38 1.0  3.3 0% 54.9
K1423 脊椎固定術、椎弓切除術、椎弓形成術(後方椎体固定) 36 2.0 28.3 0% 67.5
K0483 骨内異物除去術(前腕・下腿) 34 0.9  4.2 0% 45.4
当診療科における2018年度の手術件数上位は上記のようになりました。
1 膝の変形性関節症に対して最新の人工関節置換を行っています。
2 早期手術、早期リハビリを行って早期の社会復帰をめざしています。
3 TFCC損傷など靭帯損傷に鏡視下手術を行っています。   
4 腰椎変性すべり症に対して小侵襲手術MIStを行っています
5 抜釘は日帰り手術または短期入院で行っています。
形成外科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K2191 眼瞼下垂症手術(眼瞼挙筋前転法) 30 0.1  3.2 0% 63.1
K0882 切断四肢再接合術(指) 27 0.0 35.4 0% 45.0
K2193 眼瞼下垂症手術(その他) -  -  -  -  -
K0101 瘢痕拘縮形成手術(顔面) -  -  -  -  -
K020 自家遊離複合組織移植術(顕微鏡下血管柄付き) -  -  -  -  -
当診療科の手術の特色としては、 マイクロサージャリーの繊細さを生かした整容的、機能的に満足できる眼瞼下垂の手術や、実際に顕微鏡下に 血管や神経をつなぐマイクロサージャリーを用いた切断指肢の再接着、手指の骨折手術などを多く手がけています。
脳神経外科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K164-2 慢性硬膜下血腫穿孔洗浄術 24 2.1 15.9 8.33% 75.8
K609-2 経皮的頸動脈ステント留置術 - - - - -
K1781 脳血管内手術(1箇所) - - - - -
K1692 頭蓋内腫瘍摘出術(その他) - - - - -
K6092 動脈血栓内膜摘出術(内頸動脈) - - - - -
当診療科で最も多い手術は慢性硬膜下血腫穿孔洗浄術です。この手術は頭蓋骨と脳の間の空間に血液が貯まる慢性硬膜下血腫という疾患に対して行います。局所麻酔で頭皮を短く切開し、頭蓋骨に小孔を開けて内部の血液を洗浄除去します。
頚部頚動脈狭窄症に対する手術も多く、病変や患者様の病態に合わせて動脈血栓内膜摘出術と経皮的頚動脈ステント留置術を使い分けています。
動脈血栓内膜摘出術は、全身麻酔で内腔が狭くなった頚動脈を切開して肥厚した内膜を摘出して内腔を広げます。
経皮的頚動脈ステント留置術は、局所麻酔でカテーテルを用いて血管の内側から網目の筒状の金属(ステント)で内腔を広げます。
また、脳腫瘍摘出術も積極的に行っており、脳腫瘍の手術は一般に難易度の高い手術ですが、手術支援機器を使用しながら安全に手術を行うよう努めています。
心臓血管外科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K5522 冠動脈、大動脈バイパス移植術(2吻合以上) 27 7.2 22.6 11.11% 69.0
K5551 弁置換術(1弁) 11 8.7 38.9 27.27% 75.5
K5607 大動脈瘤切除術(腹部大動脈(その他)) - - - - -
K5602 大動脈瘤切除術(弓部) - - - - -
K5541 弁形成術(1弁) - - - - -
狭心症心筋梗塞にに対して冠動脈バイパス術を施行しています。特に糖尿病患者にはCABGの有用性は報告されており、両側内胸動脈を使用した多枝バイパスを積極的に行っております。また症例に応じて小開胸による心拍動下MICS-CABGも行っています。
心臓弁膜症に関しては高齢者の大動脈弁狭窄症に対する弁置換術をはじめ、大動脈弁閉鎖不全症、僧帽弁閉鎖不全症には積極的に自己弁を温存した弁形成術を施行しています。また小切開による低侵襲手術(MICS手術)も施行しています。
腹部大動脈瘤に対しては外科手術だけてなく症例に応じてステントグラフトによる治療も行っています。
泌尿器科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K8036イ 膀胱悪性腫瘍手術(経尿道的手術)(電解質溶液利用) 68 2.2  9.2 0% 72.8
K783-2 経尿道的尿管ステント留置術 55 0.5  8.3 4.00% 68.4
K7811 経尿道的尿路結石除去術(レーザー) 26 1.8  4.1 0% 56.6
K773-2 腹腔鏡下腎(尿管)悪性腫瘍手術 22 2.3 13.8 0% 64.5
K8411 経尿道的前立腺手術(電解質溶液利用) 13 1.5  7.8 0% 71.6
小径の腎悪性腫瘍に対して、内視鏡下の腎部分切除を積極的におこなっています。
上部尿路結石に対する内視鏡手術(TUL)手術件数は漸増しています。
いずれの手術も早期退院を目指しています。
婦人科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K867 子宮頸部(腟部)切除術 31 0.0  1.7 0% 38.7
K8882 子宮附属器腫瘍摘出術(腹腔鏡) 30 1.0  5.6 0% 53.8
K877 子宮全摘術 20 1.1  9.3 0% 48.7
K635 胸水・腹水濾過濃縮再静注法 14 3.2 5.6 0% 63.8
K889 子宮附属器悪性腫瘍手術 11 1.8 12.0 0% 51.4
小手術は手術当日入院、翌日退院を基本としており、術後経過が良好でスムーズに退院ができています。
腹腔鏡による手術症例が増加しており、これも術後経過良好で在院日数短縮の実現ができました。
胸腹水濾過濃縮については進行した癌症例がほとんどであり、体調管理に配慮が必要で在院日数が長くなり気味です。
子宮付属器悪性腫瘍手術は術後管理が順調であり、在院日数の短縮を実現できました。
眼科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K2821ロ 水晶体再建術(眼内レンズを挿入する場合)(その他) 369 0.2 1.0 0% 73.6
K2801 硝子体茎顕微鏡下離断術(網膜付着組織を含む) 21 0.3 3.2 0% 63.1
K2683 緑内障手術(濾過手術) 13 0.2 1.2 0% 74.5
K2684 緑内障手術(緑内障治療用インプラント挿入術)(プレートなし) - - - - -
K2762 網膜光凝固術(その他特殊) - - - - -
白内障手術は、上記の表に掲載された単独での水晶体再建術以外に、硝子体手術や緑内障手術との同時手術も多数行っています。
硝子体手術は、増殖性硝子体網膜症手術や硝子体切除術も行っています。緑内障手術は、流出路再建術や濾過手術(線維柱帯切除術) も行っています。また外来手術として、加齢黄斑変性・近視性脈絡膜新生血管・黄斑浮腫(糖尿病網膜症、網膜静脈閉塞症)に対する、抗 血管新生薬硝子体注射を積極的に行っています。
耳鼻咽喉科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K3192 鼓室形成手術(耳小骨再建術) 228 1.1 9.2 0% 52.7
K3191 鼓室形成手術(耳小骨温存術)  75 0.8 7.7 0% 51.1
K340-5 内視鏡下鼻・副鼻腔手術3型(選択的(複数洞)副鼻腔手術)  31 1.3 5.2 0% 51.8
K340-6 内視鏡下鼻・副鼻腔手術4型(汎副鼻腔手術)  19 1.1 5.5 0% 47.5
K3932 アブミ骨摘出術  16 0.7 7.8 0% 46.3
手術が必要な中耳炎に対して積極的に鼓室形成術を行っていますが、重症度に応じて一期的手術、あるいは段階手術を適宜選択し行っています。
一般的な顕微鏡手術に加え、低侵襲な内視鏡手術も行っています。
内服治療効果が不十分な慢性副鼻腔炎例は、内視鏡およびナビゲーションを併用した副鼻腔手術を行っており、必要に応じて鼻中隔矯正術や翼 突管神経切徐術なども同時に行っています。
耳硬化症に対するアブミ骨手術は、繊細で高度な技術が必要です。当院は近畿圏でも有数の手術数を誇ります。
その他(DIC、敗血症、その他の真菌症および手術・術後の合併症の発生率)
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DPC 傷病名 入院契機 症例数 発生率
130100 播種性血管内凝固症候群 同一 - -
異なる 14 0.15%
180010 敗血症 同一 - -
異なる 20 0.21%
180035 その他の真菌感染症 同一 - -
異なる - -
180040 手術・処置等の合併症 同一 - -
異なる - -
○DPC
 14桁あるDPCコードのうち、前6桁で示されております。DPCコード6桁とは病名による分類を意味しております。
○播種性血管内凝固症候群
 感染症などによって起こる全身性の重症な病態です。
○敗血症
 感染症によって起こる全身性炎症反応の重症な病態です。
○真菌感染症
 真菌による感染症です。
○手術・処置などによる合併症
 手術や処置等で一定割合で発生してしまう病態です。術後出血や創部感染などが代表例です。
 合併症は術式や患者様に因らず一定の確率で起こりうるもので、医療ミスとは異なります。
○入院契機
入院契機(入院のきっかけ)病名が4つ疾患と「同一」か「異なる」かで集計を行っております。
 「同一」はある病気の診療目的で入院して、その病気の診療が主であったあったことを意味します。
 「異なる」はある病気の診療目的で入院したが、併存病名や入院中に発症した病名の治療が主になってしまったことを意味します。

重篤な外傷や、消化器外科などの大手術後に血液の凝固に異常をきたす播種性血管内凝固症候群がおこることがあります。また、色々な感染症などから血液中に病原菌が入り敗血症になり、これが原因で播種性血管内凝固症候群がおこることもあります。
また、当院は手術や処置などを行う際には合併症を起こさないように細心の注意を払い施行しています。29年度に比べ「手術・術後の合併症」に関しては、著しく減少致しました。また、起こり得る合併症については事前に可能な限り患者さまに説明した上で、手術や処置の施行に対して同意を頂くよう努めています。
更新履歴
2019.9.26
平成30年度データを掲載しました。