概要
- 日本病理学会研修認定施設B
- 日本臨床細胞学会教育研修施設
各臨床科と密に情報を交換しながら、迅速かつきめ細やかな病理検査をおこなっています。
業務体制
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病理医
常勤医師2名(うち1名は病理専門医、病理研修指導医、細胞診専門医、臨床検査管理医)
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臨床検査技師
常勤4名(臨床検査部病理検査室所属:全員が細胞検査士)
業務内容
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術中迅速検査
術中迅速組織診は年700件強です。
2台のクリオスタット
近年は1人の患者から多数の検体が出ることが多いため(今までの最高記録;乳腺断端52ブロック)、クリオスタット2台体制で対応しています。
スタンプ細胞診
固形腫瘍の術中迅速組織診には、スタンプ細胞診を併用して診断精度を確保しています。
免疫染色
術中迅速細胞診では必要に応じて免疫染色を併用して正診率の向上を図っています。
2台のクリオスタット -
組織診
組織診断件数は年間6,600件を超えています。
生検
生検検体はホルマリン固定されていれば即日から処理が開始され、翌日にはHEの診断がでます。
OP材料
ホルマリンは病理検査室で一括管理を行っています。
上記理由のため業務時間帯に提出されるOP材料は技師がOP室まで検体をとりに行きます。
即座に割を入れたり肺にはホルマリンを注入するなどして適切に固定しています。
提出されたOP材は翌日の午前から切り出しされます。
必要に応じて臨床医の立会いのもとデジタルカメラで撮影し、病理システムにより管理されています。
OPの翌々日にはHEの診断がでます。
切り出しシステム
切り出し作業
包埋作業
自動染色・自動封入装置、Microwave照射装置HE診断後、免疫染色が必要に応じて施行され、最終診断されます。
診断に難渋する場合はコンサルテーションに出しています。
診断室にて検鏡 -
免疫染色、FISH
免疫染色
免疫染色には自動免疫染色機ベンタナbench markを用いています。
抗体保有種類は120種を超えています。
免疫蛍光染色
腎臓内科による腎生検が行われるようになりました。(年間50例以上)
腎生検時にはbed sideで実体顕微鏡による検体の分割を行い、免疫蛍光染色も開始しています。
FISH
今年度からHer2−FISHを院内にて施行しています。
軟部腫瘍、脳腫瘍の診断にもFISH活用を広げてゆく予定です。
自動免疫染色装置
FISH:胃癌細胞 Her2 gene発現(赤色蛍光) -
細胞診
細胞診断件数は年間およそ4,000件です。
健診部門が病院から独立したため、他病院に比べ件数は少ないですが、ほとんど有症状患者からの検体です。
Bed side細胞診
また乳腺FNAは採取時には検査技師が立会い、採取、処理の向上に努めています。
その他、各臨床科の要求に応じて、Bed side細胞診を行っています。
液状検体
液状検体の処理にも力をいれています。
子宮内膜は直接塗抹とともにLBC prepによる処理も臨床と連携し行っています。
Cell block
細胞が十分に残るときはCell blockを作成し組織診断を行い必要に応じて免疫染色を行います。また、Cell block作成、診断後、遺伝子検査を外注しています。
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病理解剖
病理解剖は年間約20件です。院内剖検率は約8%です。
病理医と介助として技師1,2名が解剖を行います。
病理解剖は24時間受付しています。(病理医不在の場合はあらかじめ臨床へお知らせしています。)
病理解剖後1週間くらいで標本作製され、約1ヶ月で最終診断されます。
病理カンファレンス
- CPC 2ヶ月に1回、2症例
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臨床各科(消化器、泌尿器、呼吸器、婦人科)とのカンファレンス
毎月1回 - 地域(乳腺)とのカンファレンス:毎月1回

バーチャルスライド
新病院移転とともにバーチャルスライドを導入し、悪性と診断された標本は全て電子化して取り込んでいます。
電子カルテと連携しており各診療科や病棟で標本の閲覧が可能です。
主治医の許可があればデータをDVDに保存して、他院への持ち出しも可能です。
研修医の指導
前期研修
現在は前期研修医を1ヶ月から数ヶ月にわたって、ほぼ毎月受け入れ指導しています。
すべての病理業務を体験してもらいます。
後期研修
後期研修医を受け入れる用意もあります。
4年間の研修で病理専門医受験資格が取得できます。
病理専門医取得により細胞診専門医受験資格が取得できます。
(定員:前期、後期合わせて2名まで。)