病理部 Department of Pathology
概要
臨床検査部病理検査室の協力を得て本院全診療科および地域のクリニックの医療の質の底上げに貢献しています。
要員
常勤医師2名(うち1名は病理専門医、病理研修指導医、細胞診専門医、臨床検査管理医)
業務
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臨床検査部病理検査室の業務の一部を担当しています
- 検鏡(顕微鏡で組織標本、細胞診標本を観察する。)
- 手術標本の切り出し(顕微鏡標本を作るための組織を切り出す)
- 病理解剖での執刀
(病理検査の詳細は臨床検査部病理検査室の項を参照!)
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カンファレンス
臨床医、検査技師、放射線技師、薬剤師、看護士と症例を検討します。
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CPC(臨床病理カンファレンス)
臨床症状と病理解剖の結果を照合して臨床診断技術の向上を図ります。
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CC(臨床カンファレンス)
臨床症状と病理検査の結果を総合し治療法の適切な選択に寄与します。
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病理解剖での執刀
(病理検査の詳細は臨床検査部病理検査室の項を参照!)
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研修医の指導
前期研修医を受け入れています。また、後期研修医を受け入れる用意があります。
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外来を開く用意があります
患者様へ病理検査結果を説明します。
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病理画像
こんな像を観察しながら病理診断をつけていきます。
右:小児麻痺患者の腸腰筋(筋組織が脂肪組織に置換されている、顕微鏡写真)

右:心筋梗塞患者の冠状動脈(動脈硬化で血管の内腔が狭くなっている、顕微鏡写真)

臨床検査部病理検査室
Division of Pathology,Department of Clinical Laboratory
病理検査とは?
- 患者様の体から採取された細胞や組織を検査する。
- 顕微鏡を主たる道具とする。
- 良性悪性の判定を主たる目的とする。
- 検査の中で最も機械化が難しく、従事者に熟練を要求する。
要員
臨床検査技師4名(常勤4名全員が細胞検査士)
業務
病理部(病理専門医)と協力して以下を行っています。
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細胞検査(細胞診):年間約4,000件
細胞診検査
患者様から採取された細胞から顕微鏡標本を作製し、検査します。
例:腟内容物、喀痰、尿の検査(子宮癌、肺癌、膀胱癌の検診)
術中迅速細胞診検査
手術中に細胞を短時間(30分程度)で検査し、フィードバックします。
例:癌性腹膜炎の有無を調べ、手術術式の決定に役立てます。
1.採取された細胞をガラスに塗る 2.顕微鏡で観察するために染色されたガラス標本
3.顕微鏡で観察(左) 4.顕微鏡で観察された癌細胞の集団(右)
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組織検査(組織診):年間約6,600件
生検組織検査
採取された1mmから10mm大程度の組織から顕微鏡標本を作製し検査します。
例:胃の内視鏡検査で粘膜の一部を採取し悪性の有無を検査します。)
手術標本組織検査
手術で摘出された臓器から顕微鏡標本を作製し、検査します。
例:胃癌では、摘出した胃の中での癌の広がりを調べます(下図)。
術中迅速組織検査
手術中に組織を短時間(30分程度)で検査し、フィードバックします。
例:癌の広がりを調べ、手術範囲の決定に役立てます。
1.摘出され切り開かれた胃(矢印:胃癌)(左)
2.胃から切りだされた組織(右)
3.切り出され組織から作成された顕微鏡用ガラス標本(左)
4.顕微鏡で観察された癌(腺癌)組織(右)
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病理解剖(剖検):年間約20件
病死された患者様を解剖して詳しい死因を調べます。御遺族の承諾が必要です。
事故死の解剖(行政解剖)、事件死の解剖(司法解剖)は行いません。
関西電力病院で死亡された患者様の7、8人に1人が解剖に賦されています。
特徴
他の同規模(400床)の病院に比べ、細胞診件数が少なく術中迅速検査件数が多い。
健診部門を隣接する中ノ島クリニックに譲渡したため細胞診件数が少なく、余力を術中迅速検査に振り向けることで、手術の質を向上させています。
術中迅速検査は、質、量ともに大病院と比べて遜色ありません。