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膵神経内分泌腫瘍に対するストレプトゾシンの安全性と有効性に関する研究についてのお知らせ 2017年5月12日
- 1.研究の対象
- 2015年1月~2017年3月に当院で膵神経内分泌腫瘍に対しストレプトゾシンによる治療を受けられた方
- 2.研究目的・方法
- 研究の概要:
膵神経内分泌腫瘍はまれな腫瘍ですが、その罹患率は年々増加傾向にあります。国内の2010年の調査では、膵神経内分泌腫瘍の年間有病率は10万人あたり2.69人と推定され、2005年に比べて1.2倍に増加しました。治療には主に手術、放射線、化学療法があります。病気があまり進んでいない場合は、手術や放射線で病気のある部位だけを治療します。病気が拡がり、全身の治療が必要な場合は化学療法(抗がん剤による治療)が行われます。
1980 年頃、欧米で膵神経内分泌腫瘍に対してストレプトゾシンによる化学療法が有効であることが示されましたが、大規模な比較試験は行われませんでした。2000年代後半より、分子標的薬であるエベロリムス、スニチニブの有用性が大規模な比較試験で示され、ストレプトゾシンの優位性は薄れつつありました。一方で、ストレプトゾシンの治療成績の報告はなされており、その奏効率は30~40%と比較的高く、我が国でも臨床試験を経て2015年2月に使用可能となりました。
膵神経内分泌腫瘍はまれな腫瘍であり、我が国においてストレプトゾシンが使用された患者さんは、まだ使用開始から 3年も経過していないこともあり、2016年9月の時点では200人未満です。本研究の目的は、我が国での膵神経内分泌腫瘍の患者さんに対するストレプトゾシンの安全性、有効性を詳しく知るために必要な解析をすることです。
- 研究の意義:
膵神経内分泌腫瘍の患者さんにおいて、どのくらいの腫瘍の進行の程度の方に対してストレプトゾシンが使われ、どのくらいの割合の方に効果があったか、またどの程度の副作用がどのくらいの割合の方に出たのか、などを調べます。どのような状態の患者さんにこの治療による効果が出ている(あるいは出ていない)かがわかれば、他の治療薬との選択が必要となった場合の目安にもなります。また副作用が多く出ているようであれば、その対策を検討する必要があります。この研究は現在の日本の治療状況を把握するのに意義は大きいと考えます。
- 目的:
本研究は、どのくらいの割合の患者さんでストレプトゾシンの効果、あるいは副作用があったか、などを調べることを目的としています。将来的には、この研究データの結果が膵神経内分泌腫瘍の診療に携わる医師や患者さんに広く利用され、より効率的な治療を進められるようになると考えております。
- 方法:
本研究は、愛知県がんセンター中央病院と、当院において、資料となるデータ(診療情報)を研究事務局に収集する形式で行われ、各々の施設に研究事務局を設置しています。当院では、2015年1 月から2017年3月31日までに進行膵神経内分泌腫瘍と診断された患者さんの診療録より、ストレプトゾシンによる治療についての必要な情報を収集します。情報収集の作業に当たる人員は医師をはじめとする医療知識のある研究者です。この作業で収集した情報を通じて、膵神経内分泌腫瘍におけるストレプトゾシンを用いた治療内容を検証します。
- 研究実施期間:3.5年間
- 3.研究に用いる試料・情報の種類
- 情報:病歴、化学療法の治療歴、副作用等の発生状況、カルテ番号 等
- 4.外部への試料・情報の提供・公表
- データは連結可能匿名化した状態で愛知県がんセンター中央病院の研究責任者が保管・管理を行う。
対応表は各施設の研究責任者が特定の関係者以外が閲覧出来ない状態で保管する。
- 5.研究組織
- ストレプトゾシン多施設研究グループ 15施設
九州大学病院 肝臓・膵臓・胆道内科 伊藤鉄英、植田圭二郎
横浜市立大学附属病院 臨床腫瘍科 小林規俊
岡山大学病院 消化器・肝臓内科学 堀口繁
関西電力病院 消化器外科 今村正之、河本 泉
京都大学医学部附属病院 がん薬物治療科 松本繁巳
京都府立医科大学大学院医学研究科 消化器内科学教室 保田宏明、三宅隼人
九州がんセンター 消化器・肝胆膵内科 永塩美邦
国立がん研究センター中央病院 肝胆膵内科 奥坂拓志、森実千種、坂本康成
国立がん研究センター東病院 肝胆膵内科 池田公史、今岡 大
聖隷浜松病院消化器内科 室久剛
東京医科歯科大学 肝胆膵外科 田邉 稔、 工藤篤
東京大学医学部附属病院 肝胆膵外科・人工臓器移植外科 有田淳一、桐谷 翔
独協大学病院 第二外科学 青木琢
小牧市民病院消化器内科 佐藤 亜矢子
愛知県がんセンター中央病院 消化器内科 肱岡 範
- 6.問い合わせ先
- 本研究に関するご質問等がありましたら下記の連絡先までお問い合わせ下さい。
ご希望があれば、他の研究対象者の個人情報及び知的財産の保護に支障がない範囲内で、研究計画書及び関連資料を閲覧することが出来ますのでお申出下さい。
また、試料・情報が当該研究に用いられることについて、患者さんもしくは患者さんの代理人の方にご了承いただけない場合には研究対象としませんので、下記の連絡先までお申出ください。
この場合も患者さんに不利益が生じることはありません。
- 研究代表者
- 愛知県がんセンター中央病院かつ研究全体の責任者
〒464-8681 名古屋市千種区鹿子殿1番1号
愛知県がんセンター中央病院 消化器内科 肱岡 範
TEL:052-762-6111

●外来受付時間(診療日程)
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