心臓血管外科

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内視鏡で行う小切開弁膜症手術なら早い社会復帰が可能です

心臓血管外科部長
末永 悦郎
Etsuro Suenaga

心臓血管外科が所属する心臓血管センターとはどのようなところですか。

心臓血管センターでは循環器内科と心臓血管外科がチームを組み、心臓血管病治療に関する最先端診療を24時間365日体制で患者さまに提供しています。内科と外科の垣根を取り除くことで、患者さまにベストな治療を選択していただけます。心臓血管外科は、センター開設のために2016年に新設された新しい科です。それまで私は心臓病の手術症例数が国内で最も多い病院に勤めており、毎日多くの手術を行っていましたので、その経験を生かし、より多くの方のお役に立てる診療科を目指し体制を整えています。

心臓血管外科では主にどのような治療を行っていますか。

代表的な治療は、冠動脈バイパス手術と弁膜症手術です。冠動脈バイパス手術は、心臓に血液を供給する冠動脈が詰まって狭心症や心筋梗塞になった場合に、新しく血管をつないで詰まったところを迂回する道(バイパス)を作る手術です。弁膜症では特に弁形成術に力を入れています。弁膜症は心臓の部屋を仕切る弁がうまく働かなくなる病気で、昔は人工弁に取り替える手術が主流でしたが、最近では患者さま自身の弁を修復する弁形成術が行えるようになりました。内視鏡を使った小切開弁膜症手術も積極的に行っています。この手術では傷跡が通常の半分以下で済み、肋骨を切る必要もないので、手術後の痛みが少なく患者さまに早く社会復帰していただけます。

外科的手術で症状はどのように改善しますか。

心臓はシンプルな臓器なので、手術が終わったばかりの患者さまが、翌日の昼にはもう座ってご飯を食べることができるというケースや、今まで息切れで動けなかった方が、手術をしたら元気にゴルフができるようになったというケースもよくあります。心臓の健康を保つには適度な運動が必要ですが、心臓を治さないと運動ができません。治療をすれば、運動ができるようになり、さらに心臓も健康になる良い循環が期待できるのです。