脳神経内科

関西電力病院脳神経内科の診療について

脳神経内科は、中枢神経(脳や脊髄)・末梢神経・筋肉の障害によっておきる病気を診断し治療する診療科です。脳卒中、偏頭痛、てんかん、アルツハイマー病、パーキンソン病、筋炎、慢性炎症性脱髄性多発神経炎などの病気の診療を行っています。頭痛、手足のしびれ、ふるえ、歩きにくさ、筋力低下、めまい、ふらつき、物忘れなどの症状がある方はご相談下さい。

特に脳卒中は命にかかわることのある病気です。後遺症が残ることもあります。半身のしびれや麻痺、言語障害、ふらつき、意識障害などが突然現れた場合は、すぐに病院で治療を受ける必要があります。脳神経内科では脳外科と協力して脳卒中当直を実施し、夜間でも血栓溶解療法や血管内治療を行える体制をとっています。

最近、アルツハイマー病をはじめとする認知症の患者数の増加が世界的に問題になってきています。脳神経内科ではCTやMRIなどの画像検査、脳血流シンチ、各種知能検査などの詳しい認知症の検査を行っています。治療が可能な認知症や、アルツハイマー病の進行を遅らせる薬もありますので、認知症が心配な方は早めに受診してください。

末梢神経や筋肉の病気については、筋電図や神経伝導検査、超音波、MRIなどを駆使し、専門的な診断を行っています。ガンマグロブリンの点滴や血漿交換などの治療も多数行っています。

2005年11月より睡眠覚醒外来を専門外来として開設し、広範囲な睡眠関連疾患を診療しています。睡眠関連疾患においては、睡眠のみならず、昼間の生活状況についても時間をかけて問診しますので、初診、再診とも全予約制で行っています。また、睡眠関連疾患の診断には、現在の健康状態、治療中の病気や服薬内容の情報が必須のため、原則として、紹介状が必要です。対応している病気は、 睡眠時無呼吸症候群ナルコレプシー、特発性過眠症、 レム睡眠行動異常症 下肢静止不能症候群(レストレスレッグズ症候群、むずむず脚症候群)等です。こういった病気に対して、睡眠専門医による診察、睡眠技士のよる夜間常時監視の睡眠検査を実施し、診断につなげています。また、治療後の評価(どの程度、正常な睡眠が取れているか)についても検査を行います。新病院になって、トイレ、シャワー付の専用睡眠病室にて快適な環境で入院検査が可能となりました。ただし、一見「睡眠」の問題と見えた症状が、精神科や心療内科(例:「不眠」と思っていたが「うつ」であった、「眠気」と思っていたが「適応障害」であった)での対象である場合は、対応しておりません。また、高校生以下の小児、思春期の年齢の方の診療も行っていません。

対象疾患

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診療実績

2019年 入院患者数
病名 人数
睡眠関連疾患(睡眠時無呼吸症候群、ナルコレプシーなど) 173
変性疾患
(パーキンソン病、脊髄小脳変性症、ALS、アルツハイマー病など)
112
脳卒中(脳梗塞、脳出血など) 84
発作性疾患(てんかん、頭痛、めまいなど) 31
末梢神経疾患(ギランバレー症候群、CIDPなど) 44
筋疾患(多発筋炎など) 5
感染症(髄膜炎、脳炎など) 13
脊髄・脊椎疾患(脊髄炎など) 7
脱髄疾患(多発性硬化症など) 4
その他(水頭症、脳腫瘍、代謝性疾患など) 47
2019年 検査件数
検査内容 件数
頭部MRI 1,185
頭部CT 473
SPECT(脳血流シンチ、心筋シンチなど) 201
脳波 284
誘発筋電図(検査神経数) 3,289
針筋電図(検査筋数) 689
大脳誘発電位 44
終夜睡眠ポリグラフ検査 176
睡眠潜時反復測定検査 23

「いびきや無呼吸」がきっかけとなって受診される睡眠時無呼吸症候群(SAS)疑いの方に対しては自宅での終夜パルスオキシメトリをスクリーニングとして利用し、精密検査として終夜睡眠ポリグラフ検査(PSG)を1泊2日入院で行っています。重症の方の場合、診断のみならず、治療導入(持続陽圧呼吸療法(CPAP)という機器を使用する方法)を1回の1泊2日入院で行う場合もあります。また、「ひどい眠気」の原因診断のためには、終夜睡眠ポリグラフ検査(PSG)の翌日に1日かけて行う睡眠潜時反復測定検査(MSLT)が必要です。MSLTを行える施設は日本の中でも限られており、当院では入院にて専用個室で行っています。

施設認定

  • 日本神経学会専門医制度教育施設
  • 日本脳卒中学会認定研修教育病院(施設)

診療科紹介・部門