MRI(Magnetic Resonance Imaging)部門
当院のMRI検査について
当院では、シーメンスヘルスケア社製の2台のMRI装置によって全身の様々な部位に対して検査を行っています。脳や脊椎(頚椎、胸椎、腰椎)はもちろんのこと、副鼻腔、眼窩、内耳、胸部、心臓、肝臓、膵臓、 腎臓、前立腺、膀胱、子宮、卵巣などの臓器の撮影や、体幹部・四肢(肘、膝、手、足など)の関節・骨・靭帯の撮影や、頭部、頚部、胸部、腹部、上肢、下肢 の血管撮影(MRA)を行っています。
MRI検査について
MRI検査は強力な磁石でできた筒の中に入ります。この大きな穴の中に体を入れて、動かないでじっとしている必要があります。ただ、装置内は狭くなっているため、圧迫感を感じる人もまれにいます。この検査はとても動きに弱いので、楽な姿勢をとった状態で検査部位を固定いたします。検査中は磁石により大きな音が鳴るため、耳栓やヘッドホンを着用してもらいます。検査時間は撮影部位により異なりますが20分から60分位です。また、検査によっては造影剤と呼ばれるお薬を静脈に注射して投与することがあります。
検査前の注意事項
- 服用中のお薬は、主治医からの指示が無い限りは通常通り服用してください。
- 磁石を利用した検査なので、金属類(ヘアピン・めがね・入れ歯・アクセサリー類・腕時計・ベルトなど)は外しておいてください。
- お化粧は控えめにお願いします。(マスカラやラメの入ったマニキュア、濃いアイシャドウなどは金属を含んでいる場合があり、熱をもったり画像に影響をおよぼす恐れがあります。)
- 湿布薬、カイロ、磁気治療器なども画像に影響をおよぼす恐れがあります。
- 検査前に、検査衣に着替えていただきます。
次のような方は検査ができない恐れがあります
検査前に必ず主治医・担当医にご相談ください
- 心臓ペースメーカー、避妊リングを体内に入れている方。
- 人工関節や脳動脈クリップ、人工内耳や義眼などの金属が体内にある方。
- 妊娠されている、またはその可能性がある場合。
- 閉所恐怖症などの狭い場所が苦手な方。
造影剤について
検査の目的によっては「ガドリニウム造影剤」という薬を静脈から注射する場合があります。造影剤を使用することによって組織に濃度差がついて病巣や血管などがわかりやすくなり、より正確な診断が可能になります。まれに副作用がおこる場合があります。吐き気、かゆみのような軽症のものから、血圧低下、呼吸困難、意識障害、痙攣発作などショックにいたるものまで様々あります。造影剤使用時は充分に注意しながら安全に検査が行われるようにしていますが、副作用が生じたときにはすぐに適切な処置がとれるよう準備を整えております。
造影剤の副作用
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軽い副作用
吐き気、動悸、頭痛、かゆみ、発疹などです。基本的に治療を要しません。このような副作用の起こる確率は、約100人につき1人(1%)程度です。
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重い副作用
呼吸困難、意識障害、血圧低下などです。このような副作用は、入院の上、治療が必要なことがあり、場合によっては後遺症が残る可能性があります。このような副作用の起こる確率は、約1万人につき5人以下(0.05%以下)です。また、病状・体質によっては約100万人につき1人の割合(0.0001%)で、死亡例の報告もあります。
アレルギー体質、喘息の既往のある方は、これらの副作用の起こる確率が高くなります。また造影剤は腎臓から排出されるため、腎機能の悪い方ではさらに悪化させる可能性があります。これらの方には造影剤を使用できないことがあります。このように重篤な副作用が起こる確率は、非常にまれですが、決して100%安全な検査ではないことをご承知下さい。
造影剤注射時
造影剤を注入する場合には、ごくまれに血管外に造影剤がもれることがあり、腫れや痛みを伴うことがあります。基本的には、時間がたてば自然に吸収されますので心配ありません。もれた量が非常に多い場合には、別の処置が必要となることもあります。
当院では、検査中、患者様の様子を観察しており、万一の副作用に対してもすばやく対応ができるよう体制を整えて、検査を行っています。もし、違和感があれば、ためらわずにお申し出下さい。
造影検査後の注意
造影剤は、ほぼ全量24時間中に尿として排出されますので、検査終了後は多くの水分を摂取して下さい。検査後、他の検査で絶食の指示がなければ食事は普通にとられても問題ありません。
その他わからないことや、気になることがあれば検査担当者にお申し出ください。
機器の紹介
当院ではシーメンスヘルスケア社製 超伝導MRI装置2台(1.5Tと3.0T)で検査を行っています。双方ともにトンネルの開口径が比較的広く作られており、圧迫感、閉所感が軽減されています。常用されている1.5T MRIに加え、強磁場3.0T MRI導入により検査の幅が広がり撮像部位によっては高画質化、または高速撮像を行うことができます。