一般撮影部門
一般撮影とは?
一般撮影とはレントゲン(X線撮影)のことです。一般撮影には、胸部レントゲン撮影をはじめ、腹部や骨のレントゲン撮影などがあります。外来、救急、病棟、手術室、泌尿器科等のレントゲン撮影業務を担当しています。整形外科領域ではX線TV装置を使用したTomography(断層撮影)や、下肢や脊椎の長尺撮影も行っています。
撮影は、立ったままで撮影をしたり撮影台に寝た状態、イスに座った状態での撮影もあります。患者さまの状態によってはストレッチャー(寝台)などに寝たままの状態や車イスに座った状態での撮影もあります。
胸部レントゲン画像からは、肺炎などの胸部疾患の有無や心臓の大きさなどを知ることが出来ます。腹部レントゲン画像からは腸のガスの有無を確認したり、腎臓などの腹部臓器の様子や腎結石、尿管結石なども調べることが出来ます。骨のレントゲン画像では骨折・打撲・捻挫・関節痛などによる四肢の撮影のほか、頭部・耳・鼻・椎体などの撮影も行います。より詳しく検査するために、同じ部位を多方向から数回撮影することもあります。
トモシンセシスについて
トモシンセシス(Tomosynthesis)とはTomography(断層)とSynthesis(統合・合成)の2つの意味から作られた造語で、1回の撮影で数十枚の連続断層画像によるボリュームデータが得られる画像技術です。検査は数秒間の低線量撮影(CTの1/10程度)で、収集した画像より何度でも再構成できますので、更に余分な被ばくを抑えることができ、FPDによる高解像度の投影画像から再構成するため、微細な骨折線や骨梁などを明瞭に観察いただけます。また、CTで見られるような金属アーチファクトの影響が少なく、整形外科、形成外科領域にて金属が挿入された部位の状態確認などに有用です。
長尺撮影について
スロットラジオグラフィでは、X線をスリット上に絞り、映像系を平行移動させながら画像を収集し、得られた画像を自動的につなぎ合わせて1枚の長尺画像を再構成します。低線量で高画質観察ができ、歪の少ない画像で全脊椎や全下肢における高精度計測をサポートしています。
骨密度測定について
骨密度(BMD:Bone Mineral Density)の測定は、骨粗しょう症や骨折のリスクを判定するのに役立ちます。当院では骨密度測定の中でも最も精度が高いDXA(dual‐energy
X‐ray absorptiometry)法を、Smart BMD(島津SONIALVISION G4用のオプション)を使用し撮影しています。
DXA法とは、エネルギーの低い2種類のX線を照射し、人体のX線の吸収差を利用して骨密度を測定する方法です。精度の高い腰椎と大腿骨の骨密度が測定できます。
撮影システムについて
当院では従来のX線イメージングプレート(IP)を使用したシステムに代わり、フラットパネルディテクタ(薄型のパネル状デジタルX線イメージセンサー)システムを全ての撮影室に導入しました。また、PACSの整備も整いフィルムレス運用となりました。撮影による被ばく線量も従来のシステムよりも低線量で、且つ短時間で高精度の撮影ができ患者さまの負担を軽減することが可能となりました。さらにコードレスのフラットパネルディテクタ(FPD)も導入しました。
一般撮影部門X線TV装置について
機器更新に伴い、島津メディカルシステムズ社製 FPD搭載X線TV装置を導入しました。最新のデジタル画像処理技術により、従来の機器よりも低被ばくで高画質な画像が提供可能になりました。
最大17×17インチのFPDを搭載し、通常の装置では撮影が困難な全脊椎撮影や下肢全長撮影といった広範囲の撮影や、1回の撮影で簡単に任意断面の画像を作成可能なトモシンセシス(金属アーチファクト低減技術T‐smart搭載)など多様な機能を備えています。
また骨密度測定アプリケーションであるSmart BMDも搭載しており、腰椎や大腿骨近位部をスキャンすることで簡単にDXA法による骨密度測定が行えます。
注意事項
撮影前には、ボタンや金具のついた衣服、アクセサリー、湿布、カイロ、エレキバンなど診断の障害になるものは、はずしてもらいます。なお、撮影部位により脱衣や検査衣(Tシャツ)に着替えていただくことがあります。