CT(Computed Tomography)部門
当院のCT検査について
当院がおこなっている検査は、全身を対象としており、全ての臓器、血管、骨、軟部組織を対象としております。近年話題となっている心臓CT(心臓の周りの血管「冠動脈」を撮影する検査)や、頭部・頚部・四肢・体幹部の血管撮影(CTA)、術前の肝臓Volumetry、肺切除シュミレーション、非血管系IVR(CT下ドレナージやCT下生検)も行っています。
CT検査について
X線を利用して人体の断層画像を撮影する画像診断です。ドーナツ状のCT装置の中に、ベッドに寝た状態で入っていき、検査部位の撮影を行います。撮影自体には痛みを伴いませんが、息を止めていただいたり体を動かさないなどの制約があります。また、X線を使用するため必要最小限の放射線被ばくを伴います。検査時間は検査部位によりさまざまですが約5~20分です。
検査手順
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胸部や腹部の検査をする場合:洋服に金属類がなければ特に更衣する必要がありませんが、場合によっては検査衣に着替えていただくこともあります。
頭の検査をする場合:めがね、ヘアピン、ピアスなどをはずしていただきます。 - CT装置の寝台に仰向けに寝ていただき、検査が始まります。
- 検査の種類によっては造影剤の注射をする場合もあります。
- 息止めがある検査の場合、息止めの合図が入ります。撮影中は身体を動かさないでください。
- 撮影が終了すると、息をする合図が入ります。
造影剤について
検査の目的によっては造影剤を使用することがあります。造影剤を使用することによって組織に濃度差がついて病巣や血管などがわかりやすくなり、より正確な診断が可能になります。まれに副作用がおこる場合があります。吐き気、かゆみのような軽症のものから、血圧低下、呼吸困難、意識障害、痙攣発作などショックにいたるものまで様々あります。造影剤使用時は充分に注意しながら安全に検査が行われるようにしていますが、副作用が生じたときにはすぐに適切な処置がとれるよう準備を整えております。
造影剤の副作用
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軽い副作用
吐き気、動悸、頭痛、かゆみ、くしゃみ、発疹などです。検査の1~2日後に発疹が現れることもあります。これらは治療を要さないか、1~2回の投薬や注射で回復するものです。このような副作用の起こる確率は、約100人につき5人以下(5%以下)です。
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重い副作用
呼吸困難、意識障害、血圧低下、腎不全などです。このような副作用は、入院の上、治療が必要なことがあり、場合によっては後遺症が残る可能性があります。このような副作用の起こる確率は、約6000~9000人につき1人(0.01~0.02%)です。また、病状・体質によって約10~20万人につき1人の割合(0.0005~0.001%)で、死亡例の報告もあります。
アレルギー体質、喘息の既往のある方は、これらの副作用の起こる確率が高くなります。また造影剤は腎臓から排出されるため、腎機能の悪い方ではさらに悪化させる可能性があります。これらの方には造影剤を使用できないことがあります。このように重篤な副作用が起こる確率は、非常にまれですが、決して100%安全な検査ではないことをご承知下さい。
造影剤注射時
- 体が熱くなることがありますが、直接の刺激であり心配ありません。通常は数分で消えます。
- 勢いよく造影剤を注入するために、まれに血管外に造影剤がもれることがあり、腫れや痛みを伴うことがあります。基本的には、時間がたてば自然に吸収されますので心配ありません。もれた量が非常に多い場合には、別の処置が必要となることもあります。
- 帰宅後でも発疹や手足のむくみ等が現れたら病院まで、ご連絡・ご相談ください。
当院では、検査中、患者様の様子を観察しており、万一の副作用に対してもすばやく対応ができる体制を整えています。もし、違和感があれば、ためらわずにお申し出下さい。
造影検査後の注意
造影剤は、ほぼ全量24時間中に尿として排出されますので、検査終了後は多くの水分を摂取して下さい。なお、心臓病・腎臓病などで水分制限を受けておられる方は主治医までご相談下さい。
その他わからないことや、気になることがあれば検査担当者にお申し出ください。
2管球搭載128スライスDual Source CT装置とは?
今までは1つだけであったX線管球が2つあり(Dual Source)、従来の2倍以上の高速撮影に対応し、一回転で4倍多く複数の画像が撮影できるようになりました。近年話題となっているDual Energy画像にも対応し、最新のソフトウェア・ハードウェア搭載により低被ばく撮影を実現しました。息止めの時間がさらに短くなり、患者さまの息止めによる身体的負担が非常に軽くなりました。例えば胸部撮影の場合、従来のCTの最大1/5以下の息止め時間で撮影が終了します。
また、今までよりも更に細かい高精細の画像断面0.3mmの撮影が可能となり、血管や骨、臓器などの様々な断面を表示させたり鮮明な3次元の立体画像、任意の断面の良好な画像が得られ、これまで以上に病変の正確な位置や大きさ、状態がわかるようになり正確な診断・治療に活かされます。
従来、心臓の血管の検査(心臓カテーテル検査)はカテーテルという管を足の付け根(ソケイ部)の動脈より挿入して行うのが主流でした。現在ではカテーテル検査に替わる新しい心臓の血管の検査・撮影法として心臓CTが注目されています。
機器の紹介
当院では、シーメンスヘルスケア社製64列MWCT装置と、128スライスDual Source CT装置で運用しています。以前と比べて多種多様な検査にも対応でき、高画質・高精細ながら撮影時間の短縮や低被ばくなどの技術が搭載され、患者さまの負担もとても軽減しました。
2台体制で運用しており、待ち時間も少なく検査予約も入りやすくなっています。