地域の医療機関の先生方へ

リハビリテーション科 基本方針

  1. 誠実さと謙虚さ
    患者さまに対し常に誠実かつ謙虚な態度で接します。
  2. 連携の大切さ
    院内外を問わず、関連職種の方から「大切な存在」と思われるチームを作ります。
  3. 専門性の追求
    専門性を「ひたむきに」磨き続けること、自分を磨き続けることを大切にします。

診療方針

  1. 急性期リハビリテーション
    病態や医学的治療を考慮した上で、発症及び術後早期からリハビリテーションを開始します。疾病のみにとらわれず、患者さまの全身(whole body)を診て最善のリハビリテーションを提供します。各診療科カンファレンスへの参加に加え、装具診等の当科独自の取り組みを通じてチーム医療の一員として患者さまに貢献します。
  2. 回復期リハビリテーション
    歩行やADLの向上による在宅復帰、社会復帰を目指し、積極的なリハビリテーションを集中的に実施します。患者さまの全身(Whole body)を捉え、生活環境や社会的背景を踏まえた患者さま一人ひとりの目標とプログラムを立案し、個別性のあるリハビリテーションを提供します。そのために患者さまを中心に多職種が連携を取り合い、チームとして患者さまの在宅復帰、社会復帰に貢献します。。

教育(研修)体制

  1. 【新人教育】(卒後4年)
    当部で作成した新人教育マニュアルに準じ、4年間を通して急性期部門(運動器・中枢神経・内部障害)・回復期部門をローテーションします。各部門では実地指導者の下、評価・治療技術を学び臨床経験を積んでいきます。また症例検討会などを通じて、疾患別の見方や病態の理解を深め、学術活動を通じて臨床思考のプロセスなどを学習していきます。
    新人教育1
    目標 主な症例 学習内容
    1年目
    • 職業倫理を身につける
    • 基本的な安全、感染管理ができる
    • 基本的な評価・治療ができる
    • 股、膝関節OA
    • 大腿骨頸部骨折
    • 腰椎疾患、頚椎疾患
    • 運動器疾患のみかた
    • 関節可動域制限とは
    • 受傷機転の捉え方
    • 組織の治療過程について
    • 画像、手術記録の読み方
    • 後療法(プロトコル)の立案
    • 早期運動療法の考え方
    2年目
    • 職業倫理に沿った行動を継続できる
    • 個別性に応じた評価、治療ができる
    • 下肢の外傷
    • 肩関節周囲炎
    • 肩関節腱板断裂(小断裂)
    3年目
    • 職業倫理に沿って行動し模範となれる
    • 複合的な疾患の評価、治療ができる
    • 脊髄損傷
    • 多発外傷
    • 肩関節腱板断裂(大断裂)
    4年目
  2. 既卒教育
    新人教育期間を終えた後も継続的な生涯学習を推奨しており、ここでは2つの視点を重視しています。1つ目は経験と継続教育によって習得した暗黙知に基づき、あらゆる疾患に応じたリハビリテーションが提供できるgeneralistの視点です。2つ目は、特定の分野で卓越した実践能力を有し、継続的な研鑽を重ね、専門的な知識・技術を以て診療・指導ができるspecialistの視点です。両者を兼ね備えた人材育成を指針とし、各スタッフとの面談を通じて個人目標を設定しております。また、院内・外を問わず症例検討会および学術活動への積極的な参加を奨めています。

臨床研究

臨床現場における治療の効果判定や、クリニカルクエスチョンを解決するためには科学的かつ学術的な検討が非常に重要です。臨床研究をベースとした学術活動は、スタッフの成長を促し、患者さまへ提供するリハビリテーションの質の向上に繋がります。そのため  当部では、治療成績の向上を目的とした臨床研究を推奨しております。現在行っている臨床研究は下記の通りですが、詳しい対象や検討課題等につきましては当ホームページ内の「臨床研究に関するお知らせ」をご参照下さい。

「高齢運転者における認知機能の画像評価システムデータバンク作成」(文科省科研費)
実施責任者:惠飛須俊彦(関西電力医学研究所)、対象期間:2020年4月1日―2024年3月31日

「半側空間無視に対するvirtual realityの効果について」
実施責任者:尾崎新平(理学療法士)

「自己中心無視と物体中心無視が日常生活動作に及ぼす影響の差異について」
実施責任者:尾崎新平(理学療法士)

「くも膜下出血の早期離床プログラムの有用性に関する前向き研究」
実施責任者:松木良介(理学療法士)

「PICSを合併した重症疾患患者に対する回復期リハビリテーションの効果」
実施責任者:松木良介(理学療法士)

「回復期に入棟した脳卒中患者における下肢静脈血栓症の疫学調査」
実施責任者:松木良介(理学療法士)

「脳卒中患者における麻痺側上肢の活動量と使用頻度との関係」
実施責任者:児島範明(作業療法士)

「心臓血管外科術後患者における上肢の活動量と上肢機能との関係」
実施責任者:児島範明(作業療法士)

「周術期心臓血管外科患者の頭部MRI画像と身体機能および認知機能の関係」
実施責任者:児島範明(作業療法士)

「進行・再発固形がん患者のリハビリ介入開始時の身体機能低下に関連する因子について」
実施責任者:草場正彦(理学療法士)

「造血器腫瘍患者の身体機能の推移 -化学療法導入時における身体機能別の検討-」
実施責任者:砂原正和(理学療法士)

「急性期くも膜下出血患者における早期離床時の脳循環動態評価-経頭蓋カラードプラ法を用いた検討-」
実施責任者:渡辺広希(理学療法士)

「中等症および重症脳卒中患者における不動関連合併症のリスク因子に関する検討」
実施責任者:小松良(理学療法士)

「腱板断裂のSLAP損傷合併症例における術後3~6ヶ月の経過について」
実施責任者:宇多恵一郎(理学療法士)

「当院回復期リハビリテーション病棟患者における転倒・転落アセスメントシートならびにFIMを用いた転倒予測因子に関する研究」
実施責任者:山本浩平(理学療法士)

「高齢2型糖尿病患者における糖尿病教育入院期間中の身体機能変化の特徴」
実施責任者:谷名英章(理学療法士)

「当院における糖尿病教育入院患者の腎機能と身体機能および身体活動量の関連」
実施責任者:浦邊順史(理学療法士)

過去の受賞歴(療法士)

第34回大阪府理学療法学術大会 優秀演題賞 
 「Severe COVID-19後、重度の起立性低血圧を呈した被殻出血一例に対する早期理学療法経験」
 渡辺広希(理学療法士)、児島範明、山本洋司

第35回大阪府作業療法学術大会 審査員特別賞
 「大腿骨頸部骨折を併発した重症視床出血例に対する作業療法経験」
 髙本雄太(作業療法士)

第2回日本糖尿病学会 医療スタッフ優秀演題賞
 「男性2型糖尿病患者におけるAnaerobic Thresholdの規定因子の検討」
 松木良介(理学療法士)、平澤良和、惠飛須俊彦、黒瀬健、清野裕

日本集中医療医学会第4回関西支部学術集会 最優秀演題賞 
「ICUにおける早期リハビリテーションに伴うsafety event発生率の調査」
 松木良介(理学療法士)、児島範明、久堀陽平、谷名英章、大浦啓輔、時田良子、三木寛之、小山英彦、大橋直紹、惠飛須俊彦、端野琢哉

日本集中医療医学会第1回関西支部学術集会 最優秀演題賞 
「ICU退室後患者の認知機能の検討」
 児島範明(作業療法士)、松木良介、小森隆一、大浦啓輔、宮崎康広、森沢知之、惠飛須俊彦、端野琢哉

令和3年度大阪府理学療法士会 学術奨励賞
 「レンズ核線条体動脈領域のBranch Atheromatous Disease患者における早期離床の有効性と安全性」
 掛谷佳昭(理学療法士)、山本洋司、渡辺広希、惠飛須俊彦

第31回大阪府理学療法学術大会 優秀演題賞 
 「BAD患者における発症24時間以内の離床が機能的予後および進行性脳梗塞に及ぼす影響」
 掛谷佳昭(理学療法士)、山本洋司、惠飛須俊彦

平成29年度大阪府理学療法士会 学術奨励賞 
「発症48時間以内の早期起立が急性期脳卒中患者の短期成績に及ぼす影響」
 山本洋司(理学療法士)、梅本安則、井上大輔、松本恵実、森沢知之、川崎敬、惠飛須俊彦、宮原永治

第18回日本病態栄養学会年次学術集会 会長賞
「2型糖尿病患者の四肢・体幹部位別筋量とインスリン抵抗性の関連」
 平澤良和(理学療法士)、松木良介、山本洋司、久堀陽平、草場正彦、渡辺広希、梅本安則、矢部大介、黒瀬健、清野裕

第27回大阪府理学療法学術大会 学術奨励賞 
「女性2型糖尿病患者の肥満の有無によるインスリン抵抗性と骨格筋指標との関連性」
 平澤良和(理学療法士)、松木良介、山本洋司、久堀陽平、草場正彦、渡辺広希、梅本安則

第4回日本糖尿病学会 医療スタッフ優秀演題賞 
「高齢2型糖尿病患者の骨格筋の質に影響を及ぼす身体活動量の検討」
 平澤良和(理学療法士)、松木良介、谷名英章、惠飛須俊彦、浜本芳之、清野裕)

第28回大阪府作業療法学術大会 優秀演題賞
 「足趾を用いた手指再建術における術前・術後評価―NOMA手・上肢機能診断法の試用経験」
 飯山幸司(理学療法士)


診療科紹介・部門