地域の医療機関の先生方へ

本邦の糖尿病治療は、定期的な受診で血糖値をきちんとコントロールしている人と、受診せずに放置して合併症が進行している人の二極化が進んでおり、後者をいかに受診させて、合併症の進行を抑えるかが大きな課題になっています。糖尿病治療の継続率が低い理由として、自覚症状がほとんどない点に加え、患者さんに対する啓発や教育が十分でないことが挙げられます。日本の保険診療では、患者教育に点数がつかないため、かかりつけ医が十分な指導に時間がとれないのが現状です。その結果、薬をもらい、血糖値が下がったら、もう治癒したと勘違いして、通院しなくなってしまうこともあり、患者さんが糖尿病の本質を理解していないことがこうした事態を招いています。患者教育や合併症を発症した患者さんの評価や治療方針の決定を糖尿病診療の専門施設が行い、日常診療をかかりつけの先生にお願いするという、病診連携を促進していくことが大切です。

当センターでは、大阪市西部ブロックの6つの区医師会による糖尿病地域連携パスに参加し、かかりつけ医の後方支援を行っています。ご紹介いただいた患者さんに対して、①糖尿病チームによる糖尿病教育、特に初期教育、②個々の病態に適した治療方針の決定、③ホスピタルベースの合併症精査を行うと共に、④栄養指導やフットケアを含め定期的な治療方針のコンサルテーションを提供します。毎月の診察、HbA1cなどの検査、インスリンを含めた糖尿病薬の処方は、原則、かかりつけ医で行っていただいています。大阪市西部ブロック以外からのご紹介に対しても、柔軟に対応いたします。

当センターでは、医師11名、糖尿病療養指導士21名がチームとなり、患者さんの社会的・経済的状況も考慮し、週末2泊3日入院をはじめ、入院期間や治療内容に対して臨機応変に対応しています。糖尿病患者さんそれぞれに適したテーラーメイド医療を目指し、糖尿病患者さんが、糖尿病の本質を正しく理解し、食事や運動に気を配り、病態に応じた糖尿病治療薬を用いながら、糖尿病の療養を続けることを支援します。

  1. 体系的な糖尿病の初期教育
  2. 糖尿病患者さんの病態に応じた治療法方針の決定
  3. 継続可能な食事療法、運動療法の指導
  4. インスリンやSMBGの手技指導
  5. 細小血管障害、大血管障害に関する定期的な精査

当センターでは、糖尿病に加え、様々な疾患に伴う代謝・栄養障害、甲状腺や副甲状腺、副腎、下垂体などのホルモン異常による内分泌疾患の診療も行っています。


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