脳神経内科
一般目標
脳神経内科では、神経疾患全般にわたる知識を有し、神経症状のある患者の病変部位および原因疾患について適切な判断を下し、それに応じた治療法やケアを選択することが要求される。したがって、臨床神経学のみならず、神経解剖学、神経生理学、神経化学についての知識と理解が不可欠で、治療面からは脳神経外科学や神経心理学、リハビリテーションについての理解も重要である。さらに、脳神経内科では単なる専門分野のスペシャリストにとどまらない内科学全般の理解と経験が必要とされることから、プライマリ・ケアも含めた研修を目標とする。
具体的目標
- 確定診断および治療に至る計画
患者の主訴を出発点として詳細な神経学的問診と神経学的診察を施行する。鑑別診断に必要十分な補助検査を選択施行し、責任病変部位および病因診断を行い、速やかに治療を開始する。 - 習得すべき基本的手技
- 神経学的問診法
- 神経学的診察法
- 腰椎穿刺
- 頭部、頚椎、胸椎、腰椎単純X-Pの読影
- 頭部X線CT,MRIの読影
- 脳血流シンチグラフィーの読影
- 筋電図・神経伝導検査、各種誘発電位検査の結果の評価
- 脳波、睡眠ポリグラフィ、パルスオキシメトリの解読
- 習得すべき救急処置
脳神経内科救急疾患のうち特に頻度が高く重要な脳血管障害や意識障害、痙攣に対して初期治療の技術を習得する。
専門領域の疾患
- 脳血管障害(脳梗塞、脳出血など)
- 神経感染症(脳炎、髄膜炎など)
- 脱髄性疾患(多発性硬化症、など)
- 変性疾患(アルツハイマー病、パーキンソン病、筋萎縮性側索硬化症、脊髄小脳変性症など)
- 代謝・中毒性疾患、その他の内科的疾患に伴う神経疾患
- 癲癇
- 頭痛性疾患(片頭痛など)
- 末梢神経疾患
- 筋疾患や神経筋接合部疾患(重症筋無力症など)
- 脊椎、脊髄疾患
- 脳腫瘍
指導体制
主として脳神経内科専門医が指導にあたる。研修医は病棟において指導医とともに入院患者の受持医になり、指導医の下で診療を行う。症例検討会を通じて脳神経内科の考え方や知識を学び、カンファレンスや総回診では幅広い疾患に対する理解と経験を深める。
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