糖尿病・内分泌代謝センターシニアレジデント

ごあいさつ

関西電力病院 総長 清野 裕

関西電力病院 糖尿病・内分泌代謝センターホームページへようこそ。私達、糖尿病・内分泌代謝センターの使命は優秀な技能を持つ専門医とコメディカルの育成、チームによる患者さんの適切なケアにあると考えています。御承知のように平成16年の卒後研修システムの改訂により病院で研修を希望する医師が増加する一方、大学病院に帰属する医師数は激減し、そのあおりを受け、研究マインドを持つ専門医志向の医師も減っています。

そこで少なくともこれを両立することが可能な施設を目指し、私達の科は着実な歩みを遂げています。ただ、目的を実現するためには、ゆとりのあるスタッフが配置されないと、臨床研究まで手を広げるわけにいきません。幸い私の目的に賛同する多くの若手医師、コメディカルが大勢所属して、国内でもっとも活性化した糖尿病研修施設の一つに数えられるほどの発展を遂げています。例えば糖尿病による年間入院件数は全国では1、2を競う状況ですし、英文論文数は市中病院では2位で昨年も10篇以上の発表を行いました。

私自身、「教育が最も大切である。医師教育、コメディカル教育、患者教育しかり」との立場に立って若い人と接してきました。従って、若手研修医には厳しく指導しながら、その人の長所を引き出すよう努力しています。当院で研修後、そのままスタッフに就任したり、他病院のスタッフ、大学院進学などいろいろな分野で若手医師が活躍してくれています。

一方、日本の糖尿病治療は定期的な受診で血糖値をきちんとコントロールしている人と、受診せずに放置して合併症が進行している人の二極化が進んでおり、後者をいかに受診させて、合併症の進行を抑えるかが大きな課題になっています。糖尿病治療の継続率が低い理由として、自覚症状がほとんどない点に加え、患者さんに対する啓発や教育が十分でないことが挙げられます。日本の保険診療では、患者教育に点数がつかないため、かかりつけ医が十分な指導に時間がとれないのが現状です。その結果、薬をもらい、血糖値が下がったら、もう治癒したと勘違いして、通院しなくなってしまうこともあり、患者さんが糖尿病の本質を理解していないことがこうした事態を招いています。患者教育や合併症を発症した患者さんの評価や治療方針の決定を糖尿病専門医が行い、日常診療をかかりつけの先生にお願いするという、病診連携を促進していくことが大切です。開業医の先生方の糖尿病に対する意識は、近年、高まっていると感じています。私自身、5~10人単位の先生を集めた双方向で対話型の会合を積極的に行っています。参加者はみなさん熱心で、具体的な症例の相談が数多く寄せられています。このようにかかりつけ医の先生との対話も重要です。これらの目的達成には深い知識と優れたコミュニュケーション術を身につけた専門医の養成が必要です。

皆さん、関西電力病院で研修(前・後期)してみませんか。期待して待っています。

関西電力病院 総長
清野 裕

糖尿病・内分泌代謝センター長 黒瀬 健

当センターは糖尿病を中心に内分泌疾患、栄養障害も対象に診療を行っています。糖尿病の病因・病態は生活習慣にかかわりが深く、内分泌疾患一般とは診療スタイルが大きく異なることと、また患者さんの数が多いことも特徴です。糖尿病自体は基礎的な疾患であることが多く、糖尿病患者さんを診ることは多くの内科疾患などにも遭遇するため幅広い知識と経験が必要になる分野です。したがって最初から糖尿病だけを診るということではなく、循環器や消化器、呼吸器などの分野でも経験を積んだ上で当センターの専門的な知識、経験を身につけていっていただきたいと考えています。このような糖尿病診療について科学的な根拠に基づく医療を率先して行えるようスタッフが自ら臨床研究を行って幅広い活動を実施しています。当センターは約20床の病床数を有し、およそ9割は糖尿病患者さんで残りはおもに内分泌疾患の患者さんです。日本糖尿病学会、日本内分泌学会それぞれの認定教育施設の認定を受け、専門医取得が可能です。スタッフは5名おり、卒後6~10年目の医師たちがシニアレジデントの教育に当たっています。シニアレジデントの教育プログラムは3年を予定しており、各年次で逐次専門医習得のためのカリキュラムを組んでいます。専門医取得後は専門性を生かした病院、大学や研究施設などへ進んでいます。当センターのシニアの募集枠は年により異なりますが、およそ1~2名程度です。当センターのレジデントたちの多くが毎年臨床的な研究データを学会で発表したり、学術誌に投稿を行っています。近隣の病院、医院などの診療所から数多くの患者さんを紹介していただいており、年間糖尿病入院患者数は大阪周辺病院の中では上位を占めています。大阪の都心部で堂島川のほとりにある4百床の病院ですが、近隣には官庁街やショッピング街、飲食店も数多くあり大変便利です。関西電力病院は企業病院として発足し、福利厚生が充実しているところも特徴です。平成25年5月から新病院がオープンしましたが、この新しい病院で専門医の修練に励んでみてはいかがでしょうか?皆さんの意気込みを期待しています。

糖尿病・内分泌代謝センター長
黒瀬 健


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