腎臓内科シニアレジデント
関西電力病院腎臓内科は、平成27年6月から血液浄化センターも開設され、腎炎~移植まで幅広く対応できる体制を整えております。一緒に当院腎臓内科を盛り上げてくれる後期研修医(3~5年目)や非常勤医師を募集しています。(常勤医師に関しては要相談。)

多職種とのカンファレンスの様子
見学は随時受け付けております。気軽に見学に来てください。
当院腎臓内科の特徴
- 腎炎から透析・移植まで幅広く対応しています。
- 通常の尿検査・血液検査・画像検査のみならず、尿沈渣は腎臓内科医が自ら検鏡して、腎疾患の病態を読み取り、診療に日々生かしています。
- 腎生検をおこなうのみならず、腎病理組織を腎臓内科医も自ら検鏡し、その病態を読み取り診療に生かしています。(光学顕微鏡組織・蛍光抗体は院内で行い、電子顕微鏡は外注しております。)
- IgA腎症に対する扁桃摘出・ステロイド治療、ネフローゼ症候群に対する免疫抑制剤・ステロイド治療なども積極的に行っています。
- 慢性腎不全の保存期の管理や教育入院などを積極的に行っています。
- 腎代替療法としては、血液透析・腹膜透析・生体腎移植に対応しており、患者様に適した治療を偏りなく選択していただいております。
- 血液透析については、入院患者様用の血液浄化センター(6床)があり、血液透析導入及び慢性維持透析患者様の合併症入院の管理を行っています。特に、バスキュラーアクセスの作成(内シャント、人工血管内シャントなど)や、インターベンション治療(VAIVT)は腎臓内科が主体に行っております。
- 血液浄化センターでは、血液透析・オンライン血液濾過透析のみならず、単純血漿交換・二重膜濾過血漿交換・LDLアフェレーシス・各種吸着療法(GCAP、LCAP等)など、各種アフェレーシス治療に対応しています。
- PDファーストの考えに基づき、希望する患者様には積極的に腹膜透析治療を行っています。特に腹膜透析カテーテル留置術やカテーテルトラブル時の対応(SPDやCRFなど)も、腎臓内科が主体となって積極的に行い、患者様には適切な時期に適切な治療が受けてもらえるように心がけています。
- 生体腎移植に関しては、当院泌尿器科と共同で行っております。術前検査から術前・術後管理、免疫抑制剤の調節や長期合併症の管理、移植腎生検など、内科的な部分に関しては腎臓内科が主体に行っております。
- 関西電力病院腎臓内科は、京都大学腎臓内科と連携しており、希望に応じて大学院進学や連携施設での研修も行うことが可能です。

腎生検の様子
1.診療科部長からのメッセージ
古宮 俊幸 (腎臓内科部長、血液浄化センター長、臨床工学部部長)
腎臓内科の扱う分野は、腎炎、ネフローゼ症候群、水・電解質異常、慢性腎不全、血液透析、腹膜透析、腎移植など幅広い分野にわたっています。後期研修医の先生には、まず腎臓内科の幅広い分野を十分学んだ上で、より専門性の高い分野を突き詰めてほしいと考えています。患者さんに問診・診察し、尿を直接検鏡し、腎臓に起こっていることを推察しながら腎生検を行い、その結果を治療に生かす。この一連の流れは、腎炎やネフローゼ症候群の診療においては非常に重要です。当科で研修を行う先生には、尿沈渣や腎生検組織からその病態を読み取れる腎臓内科医になっていただきたいと考えております。慢性腎不全の保存期の治療は、食餌療法や薬物療法のみならず運動療法も取り入れております。また、エビデンスを理解しつつも各患者様のライフ・スタイルを重視した診療が求められます。当院で研修を行いながら、患者様の病気のみならず全人的な医療が提供できるよう日々研修をしていただけることを望みます。
血液透析に関しては、血液透析の一般的な管理を身につけていただくことは当然ですが、透析治療で最も重要なアクセスについての理解を深めてもらいたいと考えております。アクセストラブルは透析が出来ないことにより患者様の生命にも関わる重要な問題です。腎臓内科では、バスキュラーアクセスの手術・インターベンション治療を腎臓内科が主体となって行うことにより、バスキュラーアクセスの重要性やそのトラブルの対応を理解していただきたいと考えております。
腹膜透析に関しては、腹膜透析の管理のみならず、腹膜透析関連手術も腎臓内科が中心になって行っています。これからの腎臓内科医にとって、「腹膜透析が苦手だから」「腹膜透析はトラブル時が大変だから」という理由で、腹膜透析を選択しないことは許されません。腹膜透析の管理ができるようになるのは当然ですが、血液透析と同様に腹膜透析のカテーテルトラブルに対応する力を身につけることで、腹膜透析治療を適切に提供できる腎臓内科になっていただきたいと考えております。
腎移植は、日本では腎臓内科医がまだまだ関われていない分野です。腎臓内科が主体となって免疫抑制剤の調節をおこなっている病院も少ないのではないでしょうか?当院では泌尿器科と協力の上、免疫抑制剤の調節などの内科的な治療は腎臓内科が主体となって行っています。腎移植の件数は少ないのですが、免疫抑制剤の処方も含めた診療に関わることによって、腎移植という治療を直接肌で感じていただきたいと考えております。
現在、腎臓だけが悪い患者様は少なく、多くの患者様が様々な合併症を持っています。そのため、腎臓内科医を専門としていても、一般内科医としての知識や診療能力を身につけることも非常に重要です。高齢化社会を迎えるに当たって、生命予後を重視した治療よりも、患者様の生活環境や考え方・生きがいを重視した全人的医療が今後求められてくると考えます。当科で研修する間に、優れた腎臓内科医としてのみならず優れた医師になっていただけることを希望しております。

腹膜透析カテーテル留置術の様子
2.研修中の先輩からのメッセージ
鳥生 直哉(シニアレジデント2年目、京大医、H24年卒)
私は関西電力病院で2年間初期研修を行い、3年目から腎臓内科にて後期研修をさせていただいています。当院の腎臓内科が扱う分野は多岐に及んでおり、腎炎や透析の管理だけでなく膠原病も扱っています。またそれだけではなく、シャント造設術や腹膜透析カテーテルの留置術も当科で行っています。腎臓内科が扱う患者様は様々な合併症を抱えており、一般内科医として幅広い知識が必須です。希望に合わせて他科をローテーションすることが推奨されており、豊富な知識を身につけることができます。
上級医の先生方も納得がいくまで丁寧に教えてくださいます。充実した毎日を送れる事になると思いますので一緒に研修したい人を募集しています。
3.研修終了したOBからのメッセージ
松田 尚子(神戸大医、平成22年卒業)
私は初期研修、後期研修2年間を他病院で行い、後期研修医3年目から当院でお世話になりました。現在は常勤医として勤務しています。腎臓内科疾患を全般的に診療できること、インターベンションから外科治療まで一貫して腎臓内科で行えること、熱心な部長の豊富な診療経験のもと研修が積める事が魅力でこの病院での研修を選びました。少人数ではありますが、密度の濃い研修をおくることができ、現在ではシャントや腹膜透析カテーテルの手術も執刀させていただいています。腎臓内科医としてスキルアップを目指す方は是非一緒に研修をしませんか?