呼吸器外科シニアレジデント
1. 呼吸器外科とは
呼吸器外科の対象は肺に限ったものではありません。胸部外科として心臓大血管以外の胸部疾患に対する外科治療を担当します。下記に主な対象疾患を示します。また、胸部理学所見、胸部画像診断、気管支鏡検査、胸腔鏡検査などの術前検査から関与し、手術、術後急性期の呼吸管理、呼吸リハビリテーションなど行い、呼吸器外科修練で身に付けることは、即ちプライマリーケアであり、呼吸器学全般にわたります。肺癌治療を例に取れば術前放射線化学療法を用いた導入療法や術後化学療法などを用いて総合的な治療戦略を立てる一方、呼吸不全に対する人工呼吸器管理や緩和治療、終末期治療に至るまで幅広く学べる診療科です。
対象疾患
- 原発性肺悪性腫瘍
- 転移性肺腫瘍
- 肺良性腫瘍
- 気管腫瘍
- 各種の原因による気管・気管支狭窄
- 縦隔腫瘍
- 自然気胸
- 嚢胞性肺疾患
- 胸壁腫瘍
- 膿胸
- 肺感染症(結核、非結核性抗酸菌症、真菌症など)
- 胸部外傷
- 気道出血
- その他、手掌多汗症など
2. 当科における指導方針
まず、手術技術の習得を優先します。最近の胸部外科手術は 胸腔鏡を用いた低侵襲手術を行う施設が増えていますが、その方法は多種多様です。当科では完全鏡視下による 胸腔鏡手術を基本術式としています。しかしながらその基本的考え方は従来の開胸術と同じです。汎用性のある手技の習得をして頂き、術者として基本的手術が行えるようになって頂きたいと思っています。当然この中には週術期の管理技術も入ります。
次に、学会報告や誌上発表を通じて学術的思考を習得していただきます。これらを通じて身に着けたロジックは学位取得に至るまでの基本になると思います。また、日常臨床での問題解決の一助となります。
シニアレジデント期間終了までに外科専門医を取得し、呼吸器外科専門医取得に十分な実績を作っていただこうと考えています。
3. 診療部長から一言
これまで多くの先輩方にご指導を受け今日に至っておりますが、諸先輩のご苦労を改めて感じ、感謝しています。まだまだ自らの未熟さを感じ忸怩たる思いをすることが多いですが、当科で研修していただくシニアレジデントの方々には、諸先輩から受けた指導を全て伝えるつもりでいます。「呼吸器外科医になってよかった」と言ってもらえる研修をしていただければ幸いです。
4. 担当医師
呼吸器外科部長 田中 亨
職歴
1989年 | 京都大学付属胸部疾患研究所外科〈現京都大学医学部呼吸器外科〉 |
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1990年 | 国立姫路病院〈現姫路医療センター〉呼吸器外科医員 |
1995年 | 岸和田市民病院呼吸器外科医長 |
1997年 | 京都大学大学院 |
2001年 | 京都大学医学部呼吸器外科医員 |
2002年 | アメリカ合衆国食品薬品管理局研究員 |
2005年 | 市立長浜病院呼吸器外科副部長 |
2006年 | 国立病院機構長良医療センター呼吸器外科部長 |
2011年 | 現職 |
資格
日本外科学会専門医
日本胸部外科学会認定医
日本呼吸器外科学会専門医
日本がん治療認定機構暫定教育医
日本がん治療認定機構認定医
肺癌CT検診認定機構認定医
所属学会
日本外科学会
日本胸部外科学会
日本呼吸器外科学会
日本呼吸器学会
日本呼吸器内視鏡学会
日本肺癌学会