脳神経外科
一覧に戻る脳梗塞の一歩手前、内頸動脈狭窄症に注意しましょう
- 脳神経外科部長
- 宮原 永治
Eiji Miyahara
脳神経外科ではどのような疾患を扱っていますか。
主に頭部外傷、脳腫瘍、脳血管障害(脳梗塞、脳出血、くも膜下出血)といった疾患を扱っています。また、内頸動脈狭窄症の内膜剥離術やステント治療にも力を入れています。
内頸動脈狭窄症とはどのような病気ですか。
内頸動脈は心臓から首を通って脳に血液を送る太い血管です。この血管の内腔が狭くなってしまうのが内頸動脈狭窄症です。内頸動脈の狭い場所では血栓ができやすく、血栓が脳に流れてしばしば脳梗塞を起こします。また、脳に送られる血液が少なくなって脳梗塞を起こすこともあります。内頸動脈が狭くなるのは血管の内腔にプラークが形成されるからですが、内頸動脈断面の8割以上がプラークになっている場合、内科的な治療だけでは脳梗塞を起こす危険性が高く、外科的な治療を行うことを患者さまに提案しています。
外科的治療には内膜剥離術とステント治療の2種類があります。内膜剥離術は手術で内頸動脈を切り開きプラークを取り除く手術です。ステント治療はカテーテルを用いて内頸動脈狭窄部にステントと呼ばれる金属製の筒を置き、内頸動脈を広げる治療です。プラークの性質や病変の位置、患者さまのご年齢、併存疾患などさまざまな要素を総合的に検討し、どちらがより適切な治療法か判断しています。外科的治療は信頼性の高い治療ですが、とは言っても、内頸動脈狭窄症を早めに発見し進行させないために、内科的治療をしっかり行うことが大切です。
内頸動脈狭窄症を見つけるためにはどうすればいいですか。
内頸動脈は体の表面に近いところにある血管ですから、超音波検査で比較的簡単に状態を調べることができます。高血圧症、糖尿病、脂質異常症といった生活習慣病をお持ちの方は、内頸動脈狭窄症を罹患しやすいと考えられています。血管の健康が気になる方は一度検査を受けられてはいかがでしょうか。