臨床検査部

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血管の状態が気になる方にぜひ超音波検査を受けていただきたいです

臨床検査部技師長
佐藤 洋
Hiroshi Sato

臨床検査部ではどのような検査を行っていますか。

臨床検査部は検体検査部門と生体検査部門の2つに大きく分かれます。検体検査では、患者さまから採取した血液や尿などを調べることでさまざまな情報がわかります。生体検査では、心電図や脳波、呼吸機能検査、さらに超音波検査のように体の中を映像化して異常がないかを調べる検査を行っています。当院では検査部内で7台、院内全体で25台の超音波装置がネットワーク上につながっており、記録された画像は検査部のみならず院内の電子カルテ端末で確認できるようにしています。

血管超音波検査ではどのようなことがわかりますか。

血管超音波検査では血管の形や血管内の血液の流れ、さらには血管の硬さなどを検査し評価することができます。動脈硬化を評価する代表的な検査は頸動脈検査です。また肺血栓塞栓症の原因となる下肢静脈の血栓を調べることもできます。検査にかかる時間はいずれも約5分と非常に短く、体に痛みを感じることもありません。外来でも超音波検査を受けられますので、血管の状態が気になる方はぜひ相談していただければと思います。

検査にあたって特に注意されていることを教えてください。

血管疾患は多岐にわたるため多くの診療科と関係があり、多くの患者さまが検査対象となります。検査についても検査対象、検査目的ごとに検査法が大きく異なりますので、検査法ごとに専用の報告書を用いて、誰が検査してもチェック項目に漏れのない取り組みをしています。私は2000年頃から日本での血管超音波検査のガイドラインづくりと技術指導活動を続けていますが、以前はこの分野で統一されたルールがありませんでした。当院に限らず、すべての病院で検査のばらつきをなくし、いつどこで検査を受けても同じクオリティの検査を提供できるような体制にしたいと強く思っています。