放射線部
放射線部とは診療放射線技師が所属している部署です。放射線部では医師と診療放射線技師とが緊密に連携して、早期診断、早期治療に役立つ最善の画像の提供に力をいれています。急性期病院として必要不可欠な検査機器、治療機器を導入し、最新の医療技術で安全で最善を尽くした医療の提供に努めており、みなさまに安心して検査を受けて頂けますように不必要な放射線被曝を防止し、各分野で専門性を身に付け高品質な撮影技術・検査技術・治療技術を提供していきます。また、地域医療に貢献すべく地域の開業医・医療機関の先生方からの検査依頼に対応できる体制を整えています。そして近年進歩し続ける技術や多様化する専門性に対応してよりよい医療を提供できるように、各種の専門・認定資格制度の取得にも力を入れています。
放射線部にはMRIが2台(3.0テスラと1.5テスラの超伝導装置)、CTが2台(2管球搭載の128スライスDual Source CTと64列Mobile Workflow CT)、マンモグラフィ撮影装置(フラットパネル搭載デジタルマンモシステム)、血管造影撮影装置が2台(いずれもフラットパネル搭載デジタル撮影装置、心臓・四肢血管用と脳・腹部血管用)、放射線治療装置(IMRT対応リニアック)、核医学検査装置2台(SPECT/CTとSPECT)、X線TV透視装置2台(いずれもフラットパネル搭載デジタル撮影装置)、一般撮影装置が4台(すべてフラットパネル搭載デジタル撮影装置)を有し、他科との協力のもと、最善の画像提供と治療を実践しています。
各種検査・治療のご紹介(クリックするとページの該当箇所へジャンプします。)
検査・治療 | 医療機器 |
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MRI検査 |
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CT検査 |
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マンモグラフィ検査 |
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血管造影治療・検査 |
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放射線治療 |
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核医学検査・治療 |
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X線TV透視検査 |
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X線単純撮影検査 |
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MRI(Magnetic Resonance Imaging)部門
MRIとはMagnetic Resonance Imagingの略で核磁気共鳴画像と言います。強力な磁石と電波を使用して、人体のどんな方向の断面でも画像化して撮影する検査で、様々な病気の状態、大きさ、形などを見ることができます。また、血流を画像化(MRA)して非侵襲的に比較的大きな血管の診断に役立てています。X線を使用しないので、被曝の心配がありません。
当院では3.0T(テスラ:磁石の強さを表す単位)の超伝導MRI装置を導入し、1.5Tの超伝導MRI装置とあわせ2台の装置で検査に対応しています。2台のMRI装置により検査効率も飛躍的に向上し、予約待ちも解消した為ストレスなく検査を予約していただけます。
CT(Computed Tomography)部門
CTとは、Computed Tomographyの略でコンピュータ断層撮影と言います。X線とコンピュータを使用し、全身の横断像(輪切りの画像)を高速に連続撮影して、様々な病 気の状態、大きさ、形などを見ることができます。頭部から下肢、血管にいたるまで、全身が検査の対象で、最近では心臓の血管や頭部の血管の撮影が増えてきています。また撮影だけでなく、非血管性IVR(インターベンショナルラジオロジー:低侵襲的治療)も行っています。CT下でのドレナージや生検などです。
当院では2管球搭載の128スライスDual Source CT装置(管球が2つあり従来の2倍以上の高速撮影に対応し、Dual Energy画像にも対応)を導入し、64列MWCT(モバイルワークフローCT:複数の検出器で何断面も同時に情報が得られるもの)とあわせて2台のCT装置で検査に対応しています。この装置を使用することにより、今までよりも精度の高い診断が可能になりました。
また、両装置とも新しい画像再構成法を備えていますので、以前よりも少ない被ばく線量でノイズの少ない画像を提供できるようになりました。
マンモグラフィ部門
マンモグラフィ(乳房撮影)とは、乳房撮影専用X線装置を使用し、乳がんの早期発見に役立てます。この撮影では、乳腺腫瘍や石灰化などの病変を見つけやすくするために、乳房を圧迫し写真を撮ります(多少痛みを伴います)。また、乳房を圧迫しながら薄く均等にすることによって、放射線被曝の量を少なくする効果もあります。
なお当院はマンモグラフィ検診施設画像認定施設に認定され、検診マンモグラフィ撮影認定診療放射線技師による撮影を行っています。
血管造影(AG)部門
血管造影とは、血管にカテーテルと呼ばれる細い管を挿入し、特定の血管のみに造影剤を注入しながら、血管の狭窄や閉塞、瘤、腫瘍の有無などを調べる検査です。頭部、大血管、冠動脈(心臓を栄養する血管)、胸腹部、骨盤、四肢末梢にいたるまで全身の血管を対象としています。
また検査だけでなく、IVR(インターベンショナルラジオロジー:低侵襲的血管内治療)も行っています。これは、異常血管や腫瘍を栄養する動脈を人為的に閉塞させたり、血管内にバルーンやステントと呼ばれる器具を用いて血管の狭窄部位を拡げたりする治療法のことです。こちらも頭部、大血管、冠動脈(心臓を栄養する血管)、胸腹部、骨盤、四肢末梢にいたるまで全身の血管を対象としています。
当院では頭頚部・腹部血管用と、心臓・四肢血管用の血管造影撮影装置(バイプレーンシステム・フラットパネル搭載デジタル撮影装置)2台体制で検査や治療を行っています。
放射線治療部門
放射線治療ではリニアックと呼ばれる直線加速器を用いて、X線や電子線などの高エネルギー放射線を体外から目的の部位に向けて照射します。がんに対して集中的に照射する事により、周囲の正常組織への被ばくを必要最小限にする事が可能です。手術のように皮膚を切開することはないため、比較的低侵襲な治療とされています。また、治療内容によっては手術や化学療法と併用することもあります。
放射線治療はがんの根治を目指す以外にも術後の再発予防目的や、がんに起因する症状(止血や狭窄の改善)や痛みを緩和する目的でも行われることがあります。
なお、当院は大阪府がん診療拠点病院の認定施設として認定されております。
核医学(RI)部門
核医学検査はRI(アール・アイ)検査とも呼ばれています。レントゲンやCTのように体外から放射線を当てて画像を作るのではなく、微量の放射性同位元素(ラジオアイソトープ:RI)で目印をつけた薬を注射して、目的とする臓器や組織に集まった薬から放出される(体内から出る)放射線の一種であるガンマ線を体外のカメラで検出し画像を作る検査です。
この薬は特定の臓器(骨や心臓など)に集まる特性があり、その特性を利用して臓器の大きさや形だけでなく血流や代謝などの「働き(機能)」を知ることができます。つまり病気によって形態が変化する前に小さな機能の変化を知ることができ、早期に病気を発見できます。
当院では、SPECT/CT装置と、SPECT装置の2台の装置で検査に対応しております。また、検査以外に治療も行っています。バセドウ病に対して放射性ヨード治療を、甲状腺がんに対しては外来アブレーションを行っており、骨転移した去勢抵抗性前立腺癌(CRPC)に対するRI治療(ゾーフィゴ)や、神経内分泌腫瘍(NEN)に対するRI治療(ペプチド受容体放射性核種療法 PRRT)も行っています。
X線TV透視部門
X線TV透視とは、X線で人体の中を透視しながら造影剤(バリウム等)を、飲んだり、血管内や関節内などに注射することにより、臓器の位置や形および働きや病変の存在を調べる検査です。おもに胃透視、大腸(注腸)検査を行っており、他診療科が施行する各種の手技などにも使用されます。
当院X線TV透視部門には2台のX線TV装置があります。いずれもDR(Digital Radiography)装置で、直接変換方式平面検出器:FPD(フラットパネルディテクター)を搭載しています。非常に高い解像度と濃度分解能を持ち、歪みのない広範囲な視野で、透視・撮影画像を提供します。
一般撮影部門
一般撮影検査とはレントゲン撮影(X線撮影)と呼ばれる検査のことです。一般撮影は検査の中でも第一選択として行われることが多い検査で、胸部・腹部・骨の撮影などに用いられます。
また、病棟やICU、救急初療室、手術室で撮影(ポータブル撮影)を行ったり、一般撮影室にあるX線TV透視装置を使用したTomography(断層撮影)や、下肢・脊椎の長尺撮影、DXA法による骨密度測定、リハビリテーション科と協力し嚥下造影検査(VF)も行っています。
当院は従来のフィルムやCR(デジタルX線画像)システムから、FPD(フラットパネルディテクタ)を使用したフルデジタルシステムに移行し、フィルムレス運用になりました。このシステムにより、従来よりも低線量で且つ高画質な画像を提供できるようになりました。
一般撮影装置4台、ポータブル撮影装置4台、X線TV透視装置1台の体制で、検査を行っています。