消化器病センター
関西電力病院消化器病センターの診療について
内科・外科の垣根をなくす消化器病センター
当院の消化器センターでは、患者さまに最適な治療を提供するため、科の垣根を越えた連携を強化しています。 特に、内科と外科は初診時から緊密に協力し、診断から治療まで一貫したサポートを行っています。
消化器病センターの特徴
- 入院のいずれにおいても、内科・外科・放射線科・腫瘍内科が一丸となって、患者さまにとって最良の治療方針を決定します。 この多職種による協力体制を基盤に、毎週のカンファレンスで治療方針を慎重に検討し、安心で信頼できる医療を提供しています。
- 外来、救急、従来、外科的手術が主流だった胃がんや大腸がんに対しては、内視鏡を用いた内科的治療が増加し、急性胆のう炎や腸閉塞など緊急手術が必要な疾患にも迅速に対応しています。
消化器病センター 消化器・肝胆膵内科
消化器・肝胆膵内科は医師数11名(消化器病専門医8名、消化器内視鏡専門医8名、肝臓専門医5名)が在籍しています。
良性、悪性を問わず幅広い腹部の疾患に対して専門的な検査と治療を行っています。特に、進行消化器癌の化学療法は消化器外科や腫瘍内科との合同カンファレンスを毎週行い、治療方針を決定しています。
2023年度の検査・処置・治療件数
消化器病センター 消化器外科
消化器外科は医師数7名(外科専門医6名、消化器外科専門医5名、内視鏡技術認定医2名、膵臓学会認定指導医1名、移植学会認定医1名)が在籍しています。
食道癌、胃癌、大腸癌、膵臓癌、肝臓癌など消化器悪性腫瘍と胆嚢結石症、急性虫垂炎、鼠径ヘルニアなど良性腫瘍を広く扱っています。
2023年度の手術件数
da Vinci(ダヴィンチ)手術
近年は低侵襲手術に力を入れており、2023年度は、胃癌はすべて、大腸癌では約80%、手術全体では約70%を腹腔鏡下に行いました。 また、2023年からは直腸癌に対して、2024年からは結腸癌に対してロボット支援下手術(ダヴィンチ手術)を導入しています。
神経内分泌腫瘍センター外科としても、希少癌である膵・消化管神経内分泌腫瘍の手術を専門的に行っており、機能温存を考慮した脾温存膵切除術、膵腫瘍核出術、膵中央分節手術を行っています。
神経内分泌腫瘍センター
大腸癌
大腸癌は近年増加してきている癌の代表格で、食生活の欧米化や肥満、運動不足が危険因子とされています。早期では無症状ですが、検診の便潜血検査で陽性になった場合などに、大腸内視鏡検査を行なって発見されることがあります。進行してくると便の通過が悪くなり、また便に血液が付着することも多くなります。更に進行すると、腹痛と共に便が出なくなるいわゆる腸閉塞や、出血が多くなって血液が薄くなる(貧血)等の強い症状をきたします。 当院で検査から治療を受けられる場合、大まかに以下のような流れで検査や治療が進みます。
初回受診
大腸内視鏡検査
大腸全体を内視鏡で観察し、ポリープや腫瘍などの異常な所見を確認します。疑わしい病変が見つかった場合、その組織を採取(生検)し、癌細胞の存在や分化度などを検査します。組織検査は1週間から10日ほどかけて病理診断科が行います。
検査結果、治療について専門医から説明を行い、治療方針を決定します。当センターでは、治療方針は大腸がん治療ガイドラインに基づき、がんの進行度や患者様の状態に応じて最適な方法を個別に選択しています。
大腸癌の治療について
1.早期がんの治療
ポリープ状の早期がんに対しては、内視鏡的切除(EMR)を行います。この方法で根治が可能で、内視鏡でがんを取り除くため、体への負担が少なく、入院期間も短く済むことが特徴です。入院期間は1日~2日です。
2.進行がんの治療
内視鏡での治療が困難な場合や、がんが進行している場合には、腸切除を伴う手術治療を行います。進行度によって手術方法を変え、最適な治療を提供します。入院期間は、術式にもよりますが、おおむね12日~2週間で、入院中は多職種が連携し、常にカンファレンスを行いながら患者さまにとって最適な治療環境を整えています。
手術実績と生存率
抗がん剤治療治療について
- 当院で抗がん剤治療を受けられる場合、入院または外来で、患者さまのQOL(生活の質)を重視した治療を行っています。腫瘍内科医が調整役となり、各診療科や多職種との共同体制で患者さまを診察し抗がん剤治療を行います。
放射線治療について
- 当院は、大阪府がん診療拠点病院の認定施設として放射線治療を行っています。
- 放射線治療の患者さまには、放射線治療に関する説明に時間をかけて行うようにしおり、医師・診療放射線技師・看護師など多職種が連携して業務にあたっています。患者さまへの不必要な放射線被曝を防止するためにも、安全で適正な検査を受けられるよう、管理・指導を行っています。