婦人科
関西電力病院婦人科の診療について
良性疾患から悪性疾患、遺伝性腫瘍まで、女性の一生に寄り添うチーム医療を行います。
当科の特徴
- 良性・悪性を横断:子宮筋腫・卵巣嚢胞などの良性疾患から、子宮体がん・子宮頸がん・卵巣がん等の悪性腫瘍まで診療します。当院には分娩設備はございませんが、妊娠初期(~20週)のトラブルや妊娠悪阻などには対応させていただきます。
- 低侵襲手術に対応:ロボット支援手術、腹腔鏡下手術、子宮鏡下手術、経腟手術を適切に選択。ERAS(術後回復強化)に基づく周術期管理で早期回復を支援します。
- 遺伝医療の体制:臨床遺伝専門医が複数名在籍し・非常勤で認定遺伝カウンセラーが勤務しております。遺伝性乳がん卵巣がん症候群(HBOCやLynch症候群などの遺伝カウンセリング/遺伝学的検査、リスク低減手術、家族支援まで切れ目なくサポートします。
- 多職種・専門横断連携:腫瘍内科、消化器外科、放射線治療科、病理診断科、放射線診断科、麻酔科、緩和ケア、リハビリ、薬剤部、栄養科、看護部と密に連携。キャンサーボードで治療方針を共有します。
当科は婦人科の腫瘍の診断と治療を中心に診療をしています。 以下、婦人科腫瘍の診断について解説いたします。
腫瘍とは、腫(は)れたできもの(しこり)のことです。腫瘍には良性のもの、悪性のもの、その中間の境界悪性というものがあります。
腫瘍が見つかった時には、まず治療が必要なものかどうかの判断/診断が必要です。 診察をして、本当に腫瘍かどうかの判断も含めて、画像診断(まずエコー、必要に応じてMRI、CT)を検討いたします。 子宮については、外来での細胞診・組織診といった顕微鏡での診断も大事です。顕微鏡で見ても、良性か悪性かの診断は難しい場合もあります。
卵巣や卵管については、完全に腹腔内に存在する臓器ですので外部での細胞診・組織診は出来ません。診察、画像診断、腫瘍マーカーによって“良悪性、境界悪性”のできるだけの区別をして、治療に入ります。
良性と診断して治療が必要となれば、まずは薬物療法で対応できないかを考え相談いたします。現在は薬物治療も様々なものが使用可能であり、漢方薬も選択可能な場合があります。早めの妊娠を考えておられる場合は、病状に応じた対応が必要です。手術が必要と判断すれば、子宮鏡(子宮の内視鏡カメラ)や腹腔鏡を中心とした手術を検討しますが、数ヶ月のホルモン治療後の手術を提案する場合があります。開腹手術が必要な時は、下腹に横切開する方法(傷が綺麗に治りやすい)が可能かどうか検討します。
悪性の可能性があれば、子宮についてはその悪性の種類と広がりの診断が大事であり、子宮頸部では診断的円錐切除(子宮頸部の出口付近を円錐型に切除すること)の検討、子宮体部では子宮鏡での子宮内宮観察を行ったり、PET(ペット)(ブドウ糖に類似した放射性同位体を静脈内投与して、その取り込み部を把握することで悪性疾患の広がりを知る方法)という画像診断を追加することも検討します。卵巣・卵管では手術中に組織診断をして良悪の判断を行い(手術中の病理診断の正確性は約70%と言われていますが)、最終的な手術の大きさ・範囲を決定します。
以上の様に良性腫瘍、悪性腫瘍のどちらに対しても、患者の皆さまの身体に負担の少ない治療を心がけています。子宮頸がんと体癌に対する腹腔鏡手術はもちろん、さらに先進的な治療として、子宮頸癌に対する妊孕性温存手術である広汎性子宮頸部摘出術(広汎性トラケレクトミー)、子宮頸癌・子宮体癌手術におけるセンチネルリンパ節検索(院内での臨床研究、倫理委員会承認)を施行しています。単に傷が小さいだけではなく、真の意味での身体に優しい、機能温存を考えた治療を目指しているのです。
また腫瘍内科、放射線科と協力し、カンファレンスのもと、悪性腫瘍に対する化学療法、化学療法同時放射線治療 CCRTも施行します。
病棟のアメニティーは非常に良好であり、婦人科疾患でお悩みの患者さまにさらに安全に心落ち着く良質な医療を提供してまいります。
子宮頸癌ワクチンについて
2023年4月より当院でも9価ワクチンであるシルガード9 ®の公費接種が可能になりました。シルガード9
®はヒトパピローマウイルス(HPV 6/11/16/18/31/33/45/52/58型)の感染を防ぐワクチンです。シルガード9
®を接種することで子宮頸癌の原因となるHPV 6/11/16/18/31/33/45/52/58型に加え、尖圭コンジローマの原因であるHPV6/11型に対する抗体が作られます。子宮頸癌の原因となるHPV型の約90%をカバーしており、海外ではこのワクチンが主流です。合計3回の接種、もしくは9歳以上15歳未満の女性においては2回接種を行うことで十分な予防効果が得られるといわれています。
ご希望の方はお電話での予約取得をお願いします。また、公費助成対象である他の2価ワクチン(サーバリックス®)、4価ワクチン(ガーダシル®)の接種も当院で可能です。但し、当院は小児科がありませんので、15歳以上の方を対象とさせていただきますのでご了解ください。
対象疾患
- 子宮筋腫
- 子宮内膜症・深部子宮内膜症・月経随伴性気胸
- 性器脱(子宮脱、膣脱)
- 子宮頸がん
- 子宮体がん
- 卵巣がん
- 卵巣腫瘍(良性)
- 月経前緊張症
- 子宮外妊娠
- 性器クラミジア感染症
- 更年期障害
- 月経過多
- 卵巣出血
- 遺伝性乳がん卵巣がん症候群(HBOC)
- 外陰腫瘍
- 陰唇癒合症
- 子宮内異物
- 子宮留膿腫
診療実績
主な診療実績(2024年度)
| 手術内容 | 件数 | ||
|---|---|---|---|
| 良性疾患 | 腹式単純子宮全摘術 | 9 | |
| 腹腔鏡下単純子宮全摘術 | 13 | ||
| ロボット支援下単純子宮全摘術 | 6 | ||
| 子宮筋腫核出術(開腹) | 8 | ||
| 付属機種用手術(開腹) | 2 | ||
| 腹腔鏡下子宮筋腫核出術 | 5 | ||
| 腹腔鏡下付属器手術 | 39 | ||
| 子宮脱手術 | 4 | ||
| 子宮鏡手術 | 18 | ||
| 円錐切除術 | 20 | ||
| その他 | 6 | ||
| 計 | 130 | ||
| 悪性疾患 | 子宮頸癌 (広汎子宮全摘術・トラケレクトミー) |
腹腔鏡手術 | 3 |
| 開腹手術 | 2 | ||
| 子宮体癌 | 腹腔鏡手術 | 8 | |
| ロボット手術 | 3 | ||
| 開腹手術 | 3 | ||
| 卵巣癌(試験腹腔鏡含む) | 14 | ||
| 子宮頸癌に対するセンチネルリンパ節生検(重複) | 3 | ||
| リスク低減付属器切除RRSO | 2 | ||
| その他 | 1 | ||
| 計 | 37 | ||


