リウマチ・膠原病内科

関西電力病院リウマチ・膠原病内科の診療について

当院では2020年4月、新たに「リウマチ・膠原病内科」を発足いたしました。当科では、関節リウマチや膠原病の診療には経験豊富な医師(日本リウマチ学会指導医2名(八木田、藤田)、専門医2名(岡崎、姉川)が診療に当たります。 関節リウマチや膠原病は免疫の異常が原因と考えられており、全身のあらゆる臓器に病変をきたす可能性があります。リウマチ・膠原病内科が中心となって診断・治療を進めていきますが、整形外科、腎臓内科、呼吸器内科、眼科、皮膚科などの多くの診療科と連携して診療していきます。

2023年4月に中川真綾医師(後期研修医)が、2024年4月には姉川修子医師(医員)、小西佐代子医師(後期研修医)が「リウマチ・膠原病内科」のメンバーに加わり、診療体制の強化を図っています。

当院のリウマチ・膠原病内科の特徴

  1. 当科はもともと腎臓内科・リウマチ・膠原病内科として発足しているため、腎臓内科と特に結びつきが強いことがあります。石井、岡崎は腎臓専門医でもあります。関節リウマチや膠原病の難治性病態には、白血球除去療法、顆粒球・単球吸着療法や血漿交換などの治療が必要なこともあります。このような状況に際は速やかに対応することができます。
  2. 当科では多くの患者様にステロイド、免疫抑制剤、生物学的製剤を使用します。治療は長期間に及ぶことが多く、生涯継続することもあります。また、感染症などの併発により急な状態の変化を引き起こすこともあります。当院は24時間体制で救急医療に対応しており、安心して治療を継続することができます。
  3. 関節リウマチは初期に診断することが重要な疾患の一つです。時間の経過とともに関節破壊が進行する恐れがあります。従来はレントゲン撮影により関節の状態を評価していましたが、初期の関節病変はレントゲンでは捉えられないこともあります。このため、当科では外来診察室に関節エコー検査装置を常備し、早期の関節リウマチの診断を目指しております。藤田は日本リウマチ学会登録ソノグラファーの認定を受けております。
手指関節の滑膜炎所見
上図:手指関節の滑膜炎所見
  1. リウマチ膠原病疾患では末梢循環障害が多く認められます。当科では血流スコープを用いてリアルタイムで毛細血管の血液の流れを測定することで、健康状態や血管内の状況を把握します。
爪郭部血流
上図:爪郭部血流

対象疾患

関節リウマチ及びリウマチ性疾患

関節リウマチ(RA)、リウマチ性多発筋痛症(PMR)、成人スティル病(AOSD)、RS3PE症候群、乾癬性関節炎、強直性脊椎炎、脊椎関節炎、反応性関節炎、SAPHO症候群

膠原病

全身性エリテマトーデス(SLE)、多発性筋炎・皮膚筋炎(PM/DM)、混合性結合組織病(MCTD)、強皮症、高安動脈炎(大動脈炎症候群)、巨細胞性動脈炎(GCA)、結節性動脈周囲炎、顕微鏡的多発血管炎(MPA)、多発血管炎性肉芽腫症(GPA)、好酸球性多発血管炎性肉芽腫症(EGPA)、抗リン脂質抗体症候群(APS)、シェーグレン症候群

その他の膠原病類縁疾患

ベーチェット病、サルコイドーシス、アミロイドーシス、IgG4関連疾患、再発性多発軟骨炎、Castleman病、TAFRO症候群、がんの免疫療法に伴う免疫関連副作用(irAE)

診療実績

関節エコー件数:
2021年度 350件
2022年度 1,025件
2023年度 1,056件


診療科紹介・部門