原因不明という観点から「特発性」血小板減少性紫斑病とされますが、血小板破壊の機序は自己抗体によることが大半で、「免疫性」血小板減少性紫斑病とも呼 ばれます。血小板の破壊には補体を介した直接の破壊亢進以外に、自己抗体が結合した血小板を網内系のマクロファージが貪食する機序もあります。SLEなど の自己免疫疾患との合併も多く認められ、若い女性で血小板が減少しているときは膠原病の検査も必要です。治療にはステロイドを含めた免疫抑制剤の投与や摘 脾に加え、大量の免疫グロブリン投与が有効なことが多いとされます。ごく最近、骨髄での血小板の生成を刺激する薬剤(エルトロンボパグ、ロミプロスチム) が開発され、ステロイドで充分な効果が得られない場合に使用され、良い成績を示しています。


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